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内容説明
昭和初期の大恐慌と凶作の哀史を、自らの体験と資料を駆使して記録する。あの時代、あの体験を風化しないための一書。
目次
プロローグ―「欠食児童世代」
歴史的な飢饉多発地帯
昭和五年(1930)―世界恐慌の直撃
昭和六年(1931)―凶作の追い打ち
昭和七年(1932)―悲惨、娘身売りと欠食児童
昭和八年(1933)―戦争への道行と三陸大津波
昭和九年(1934)―ああ、昭和東北大凶作
飢餓線上の凶作激甚地を行く
重荷を背負った娘たち、空腹に泣く子どもたち
エピローグ―「一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲ」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いきもの
3
天明の大飢饉から脈々と続く東北の飢饉凶作の流れ。ひどすぎて逆に笑ってしまう部分もあった。2020/12/19
何だか
2
山のワラビやら木の実やらを採り尽くしてしまうってちょっと想像できない。人間飢えたら何でもやるんだなあ。国の飢餓対策がいまいち上手く行ってないのは現代の少子化対策なんかと似てる。現場の努力だけではどうにもならない、かつ中央政府の対策は現実と乖離してしまう、というような課題への解として地方分権を実施したとして、地方政府が経済的に自立できず結局は中央の出先機関としての役割に留まってしまうという状況があると思うが、どうにか解決できない問題なのか。2015/02/25
さんつきくん
1
凶作、飢餓。戦前、どれだけ東北人が餓えに苦しんだかの記録。江戸時代、大飢饉に苦しんだ東北の村々。昭和の世に変わり、度重なる凶作。そして世界恐慌。天候不順で作物は育たず、経済的にも貧しい。小作と地主の関係。お金がない→食べられない→生活の営みがない。負のスパイラル。著者の生々しい体験談も凄まじい。世界恐慌に加え戦争。国防費がかさみ農家への救済策は後回し。貧しい農家は娘を手放す。「出稼ぎ」と言う表現ではなく「身売り」。「身売り=春を売る人」ではない、良心的な出稼ぎ先なら良いが、そうでない非議こもごもからくる悲2013/11/09
toshokan-no-hito
1
年末に読んだ本ですが、戦前の東北を襲い続けた凶作と三陸大津波、昭和の大恐慌などを体験者として綴った記録。東北地方の厳しく辛い歴史を知るためには格好の書。三陸大津波(昭和8年)の体験を読むと今回の大津波と寸分違わぬ惨状に驚嘆させられる。かつて同じことがあったのに、何が未曾有の災害か、と思います。2011/04/03