内容説明
自然に囲まれた美しい住宅地には、かつて棲息していた野猫たちの哀話が隠されていた。猫語を解する春風家の緑ちゃんは、ある日、飼い猫のチビワンより、猫浚いが出没しているとの報告を受けて探偵団を結成する。一方、人間との共生を図ろうとする野猫の子孫たちは、動物を迫害する佞人の存在を知って彼らに戦いを挑む。探偵団と野猫の血を引くスーパー猫たちの活躍。読者を意外な結末に導く、ユーモア小説であると同時に人間と動物の共生複合社会を模索する教養小説でもある。
著者等紹介
内藤幸雄［ナイトウユキオ］
１９３０年、中国・天津に生まれる。１９５４年、日本鋼管（現ＮＫＫ）に入社し、主として原価管理業務と海外開発業務に従事する。１９７５年より、東南アジア、中近東、中南米等の開発プロジェクトを担当し、海外生活が長くなる。１９８５年、エジプト政府と日本企業合弁会社の設立プロジェクトに参加、アレキサンドリアに滞在し、１９８７年、帰国。１９９３年、会社員生活を引退後は、旅と読書を中心にすえた日々を送っている。著書に『アレキサンドリア、わが旅』（新潮社）がある
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