出版社内容情報
【ロータリーエンジン搭載マツダコスモ<試作車>発表から60年】「未来のエンジン」とも称され、世界中のメーカーが研究開発を進めたロータリーエンジン。技術的な課題もあり、多くのメーカーが撤退するなか、マツダは課題を克服して次々と量産車を開発した結果、ロータリーエンジン車を200万台近くも量産する世界で唯一のメーカーに成長した。一時その生産は途絶えたが、2023年にマツダは、MX-30 Rotary-EVの発電用エンジンとして、ロータリーエンジンを復活させ今日に至っている。本書では、マツダのロータリーエンジン車の変遷を中心に、各メーカーの取り組みも含めて、当時の貴重なカラーカタログなどを用いて紹介する。本書は、ロータリーエンジン搭載の試作車マツダコスモが発表されて60年を迎えるのを機に、2011年刊行の同書の内容を再確認し、2023年に発売されたマツダMX-30 Rotary-EVの情報などを追加収録、カバー装丁を一新して刊行する増補二訂版。
内容説明
ロータリーエンジン搭載マツダコスモ(試作車)発表から60年。フェリックス・バンケル博士が研究を重ねていたロータリーエンジンは、ドイツのNSU社の協力のもとで開発が進み、1957年に最初のDKM54型ロータリーエンジンが製作された。回転運動により動力を生み出すコンパクトなロータリーエンジンは、往復運動を回転運動に変換する従来のレシプロエンジンに代わる「未来のエンジン」とも称されて注目を集め、世界中のメーカーがNSU社にライセンス契約などを申し込んだ。ロータリーエンジンの研究開発は各メーカーで進められ、わずか数社が市販に成功したものの、ほとんどのメーカーが撤退となったが、マツダは次々と量産車を開発した結果、ロータリーエンジン車を200万台近くも量産する世界で唯一のメーカーに成長した。その後2012年にロータリーエンジン車の生産が途絶えたが、2023年にマツダは、MX‐30 Rotary‐EVの発電用エンジンとして、ロータリーエンジンを復活させたのである。愛蔵版600部。
目次
ロータリーエンジン車の歴史(ロータリーエンジンフィーバー;ロータリーエンジンをモノにしたマツダの苦闘;マツダのロータリーエンジン車)
カタログでたどるロータリーエンジン車(メーカー各社が挑戦したロータリーエンジン車;マツダのロータリーエンジン車)
著者等紹介
当摩節夫[トウマセツオ]
1937年、東京に生まれる。1956年に富士精密工業入社、開発実験業務にかかわる。1967年、合併した日産自動車の実験部に移籍、1970年にATテストでデトロイト~西海岸を車で1往復約1万キロ走破。往路はシカゴ~サンタモニカまで、当時は現役であった「ルート66」3800kmを走破。1972年に日産自動車、海外サービス部に移り、海外代理店のマネージメント指導、KD車両のチューニングなどにかかわる。1986年~1997年の間、カルソニックの海外事業部に移籍、豪亜地域の海外拠点展開にかかわる。1986年~1989年の間シンガポール駐在。1954年から世界の自動車カタログの収集を始め現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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