内容説明
1903年12月17日午前10時33分。今からちょうど100年前、人気のない砂浜でライト兄弟の発明した飛行機が飛んだ。その時間は12秒。人類史上初めての飛行は、こうしてひっそりと行なわれていたのだ。その後の歴史と文明に大きな変化をもたらした飛行機の発明は、名も知れない田舎の青年達が生み出していた。力をあわせて空への想いを実現し、今日のジェット機時代到来の基礎を築いた兄弟と、それを影になって支え続けた家族達の感動の開発ものがたり。
目次
第1章 大空と人類の夢
第2章 生い立ち
第3章 空への憧れ
第4章 成功のかげに
日本の航空パイオニアたち
富塚清先生とライト兄弟
著者等紹介
富塚清[トミズカキヨシ]
1893~1988年。明治26年、千葉県山武郡増穂村木崎で出生。大正6年東京帝国大学工学部機械科卒業、東京大学における航空学調査委員会嘱託となる。大正7年東京帝国大学助教授。航空研究所所員。昭和7年、工学博士、教授に昇進、専攻は航空発動機。戦後、一時教職追放。異議申請、追放解除後、再び教職に復帰、法政大学、明治大学等の教授、停年退職後、白樺学園女子短大教授を歴任。東京大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雑魚寝
0
世界で初めて動力飛行に成功したライト兄弟の生い立ちを綴った伝記。非常に聡明かつ理性的で、何事にも情熱を欠かすことのなかったウィルバーとオーヴィルふたりの人生が語られる。本書の素晴らしいのはそのわかりやすさ。飛行機というと数学なくして語られる分野ではないが、彼らを悩ませた要素、うまくいった要素を数式ではなく噛み砕いた言葉で説明してくれるのは有難い。本文の最後には年表もあり、時代背景が一目でわかるのもよかった。飛行機という一時代を築いた兄弟の軌跡を読み解いてみては如何だろう。2013/03/28
suujikudeikou
0
昔からエンジニアになりたいとか、有名になりたいとか、そういうのじゃなくて昔の好奇心を持ち続け、最後までそれを貫いた二人の苦労、歓喜を共有させて頂きました。2012/11/24
driver1988
0
ライト兄弟にはこんな逸話がある。それは鳥の観察からヒントを得て飛行機を製作したということ。しかし、これは弟のオービル・ライトが否定しているのである。私はこの事を「技術屋(エンジニア)の心眼 E.S. ファーガソン (著)」の中で知った。もう1つ興味深いことがある。144ページにグライダーを飛ばすライト兄弟の写真があるのだが「実験に生きる 熊谷 寛夫 (著)」の8ページに書いてある図と似ているのだ。2010/10/20