内容説明
『日本奥地紀行』の著者による、19世紀末のジャンムー・カシミール地方―今もなお容易に踏み込めないヒマラヤ奥地紀行。そこには、神々しい山々、過酷な峠越え、谷越え、岩山の僧院、そして変わらぬ人々の生活があった。本邦初訳、イラスト多数。
目次
第1章 旅立ち
第2章 シェルゴルとレー
第3章 ヌブラ
第4章 礼儀作法と慣習
第5章 気候と自然の様相
著者等紹介
バード,イザベラ[バード,イザベラ] [Bird,Isabella Lucy]
イザベラ・ビショップ夫人。1831~1904。ヴィクトリア時代のイギリス人。世界の西洋人の行かないところを独りで旅するレディ・トラヴェラーで、女性で最初の英国王立地理学会特別会員となった。アメリカ・カナダ、オーストラリア、ハワイ諸島、日本、ペルシャ、インド、チベット、朝鮮、中国、ウラジオストック、モロッコを旅行して、その旅行記を残した。日本へはチャールズ・ダーウィンの勧めでやって来て、森有礼、新島襄などと親交を持った
高畑美代子[タカハタミヨコ]
弘前大学大学院地域社会研究科単位取得(博士課程)。日本英学史学会会員
長尾史郎[ナガオシロウ]
明治大学名誉教授(経済学専門)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジュースの素
5
当時の冒険家イザベラバードによる、パキスタンからインド北部のチベット圏を旅した様子。 1800年代の辺地への旅は想像を絶するものかと思われる。 今でも大変な土地で、私もその辺りを旅した事があるので、ゴンパの様子などよく解る。 ラダックのレーは当時も観光客がいたと書かれて驚く。2015/05/05
おとや
2
本邦では『日本奥地紀行』で著名な著者による、西チベット旅行記。ぼくも旅したことのある、ラマユル、レーなどについての記述があり、楽しくよめた。しかし、寒さと高度で日本奥地紀行よりも過酷そうな旅だ。訳者による付記のおかげで、医療伝道者としての彼女の一面を知ることができた。この後のペルシア、クルディスタン旅行記も読みたいが、邦訳は出ているのかな。2015/02/28
tokumei17794691
0
・バードの観察眼や人徳には驚かされる。風景・建物・風俗などのスケッチは詳細。第三章のシャヨク川渡河も、現地で大変慕われている宣教師が同行しているとはいえ、早飛脚でもない、一旅行者を住人総出の命がけで渡してもらえるのか。・高地で夏冬同居のため、行程表に日付がなく、読んでいて季節が混乱した。・温度は華氏表記で、毎回摂氏に換算注記があった。だが最も重要な距離・標高は、ほぼヤード・ポンド法しか書いてなく、よく分からぬ。メートル法も併記してほしかった。・『ペルシャとクルディスタンの旅』の邦訳がなく残念。邦訳を望む。2021/12/06