内容説明
今の世界が抱えるもっとも重大かつ危急的な問題、地球環境の破局―現代ほど、ルソーの思想を必要としている時代はない。本書では、ルソーの自然観の一つを形成する自然界観、即ち人間を包み、そこで人間が生きている世界の構成要素の一つでもある自然界を彼がどう見ていたのか、という問題について検討を加え、その一端を明らかにする。
目次
第1部 ルソーにおける「環境」としての自然界(ルソーにおける「環境問題」認識の諸相と文明社会批判との関連;自然界の「生態学」的な観察;自然界の「環境倫理」的理解;ルソーにおける「環境思想」と18世紀フランスの啓蒙思想)
第2部 ルソーと自然界(自然界を見るルソーの描写態度の特性と視角、視線、視界の広がり;比較の相で見るルソーの自然界;自然界を見るルソーの基底にあるもの―なぜ彼は自然を愛したのか)
第3部 ルソーの自然観と老年期の自己意識、政治、経済、宗教思想との関連(『孤独な散歩者の夢想』における老年期の自己意識と風景の世界;ルソーの自然観と政治的観念および経済観との関連;ルソーにおける自然と神―ニュートンとの比較を中心に)
第4部 ルソーにおける、自然界についての教育と現代の環境教育および文学と環境文学の主張との関連(ルソーにおける自然界についての教育と現代の環境教育の主張との関連;ルソーにおけるネイチャーライティング(環境文学))
著者等紹介
荒井宏祐[アライヒロスケ]
1936年、東京生まれ。東京大学教育学部・同大学院修了。日本放送協会(NHK)放送文化研究所主任研究員、東海大学講師、文教大学教授等を経て、現在杏林大学講師。専攻分野:J.‐J.ルソー研究、放送研究など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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