内容説明
終戦後の半世紀を機会に、多くの証言が出ているが、文化国家に生まれ変ると言いながら、明治がゆがめた、この国の歴史のまことの姿をとりもどし、文化という切り口で、つまり、広い意味での美の意識をよりどころに過去をふり返り、未来への方向を探ろうという試みが、寡聞のこともあって見当らない。そこを補えるような、時の流れとは別のところに居る者の物の見方をまとめることが本書の目的である。
目次
第1部(進歩・変化と生体恒常性;「世界文化」と日本の顔;「株式会社日本」の論理―相互依存の共同体と個人主義の契約社会 ほか)
第2部(絵に見る世界観 東と西;私説「宮本武蔵」;利休の美学、室町と現代をつなぐ糸 ほか)
第3部(キリスト教の素顔を求めて―一神教というもの;ミルの自由論の忘れもの―内なる自由の回復を求めて;オリンピックを見直そう ほか)
グローバリズムとの対峙と共存
著者等紹介
荻野宏幸[オギノヒロユキ]
画家。1928年東京生まれ。成蹊高等学校を経て東京大学経済学部卒業。11年の日本航空勤務の後、招きにより博報堂に入社(1966年)、社長室長を経て同社取締役を3期の後、依願退任(1975年)。ビジネスを離れる。1974~77年獨協大学講師(広告論)、1988~89年拓大工学部工業デザイン科講師(造形文化史、近代デサイン史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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