内容説明
原爆文学といえば、井伏鱒二の『黒い雨』が小説として有名であるが、今なら、詩の部門で代表作となり得るのは、この水野詩集ではなかろうか。
目次
第1楽章 ママン―咏嘆調(さつまいもの歌;あなたは居なくなっただけだ ほか)
第2楽章 放浪暮し句―塗炭調(或る音;広島上空にて ほか)
第3楽章 阿呆リズム―異端調(高度恐怖症;ノイローゼ ほか)
第4楽章 レクイエム―遍路長調(ゾロアスター教の教えでは;雀の声 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マイケル
6
原爆で突然失った家族・兄弟、特に母への思いを切々と詩で綴る反核・反戦・平和の歌。海外旅行先の街角で広島を想う。"Know More Hiroshima":もっと原爆の悲惨さ、キノコ雲の下の地獄を知って欲しいと訴える。「母を返せ」は、峠 三吉「原爆詩集:にんげんをかえせ」を思い出す。真珠湾とヒロシマは違う。原爆で殺されたのは武器を持った軍人ではなく普通の庶民。チェルノブイリ原発事故の放射能の怖さ。キッチンに思い入れのある元炊事部委員長。「宮沢賢治パロディ-日本人海外旅行者心得」が楽しい。広島弁が懐かしい。2020/12/01
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