本格ミステリー館にて

本格ミステリー館にて

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  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784895030113
  • NDC分類 901.3
  • Cコード C0095

内容説明

1981年「占星術殺人事件」―本格ミステリーはこの本で始まった。1987年「十角館の殺人」―誰もが驚愕の声をあげた。そして、西暦2000年、この本は伝説になる。大担に、芳醇に、魅惑的に、ミステリーを語る島田荘司と綾辻行人が日本のミステリー界を変える、創る、輝かせる。

目次

島田荘司、本格ミステリー論を語る
論理性と情動性、幻想性とリアリズム
「器」のミステリー
定義の問題
社会派と本格
「遊び」の文学を生む時代〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

45
「新本格」初期の空気をたっぷり含んだミステリ論。二人の立場・考えに隔たりはあるのだが、ともにひとつの時代を作る仲間意識を感じる。当時まだジャンルが定着しているとは言えず、既成観念をどのように打ち破っていくか、苦闘の時代でもあった。「占星術」の作者らしくない(?)「奇想」をなぜ書かねばならなかったのかも、ここに語られる。なぜ一時期のミステリは「社会派」全盛だったのか、それにも理由がある。現在は「新本格」だと強調はされないが、まかれた種は着実に成長をしていると思う。やや古くても先駆者の思いを聞くと発見がある。2024/03/06

Tanaka9999

10
1992年発行、森田塾出版の単行本。対談集、といっていいのだろうか。ミステリーを基にした議論だが、一部かみあってない部分があるような。もちろん大半は対談になっているのだが。日本文学論になるのはとにかく、日本論に発展させるには、ちょっと材料不足ではないだろうかと感じる。まぁ、感覚的な話であることは理解できるのではあるが。2023/02/10

海月

5
島田荘司さんと綾辻さんの対談集。作家さんそれぞれのミステリ観や、譲れないこだわりなどは当然あるとは思いながらも、お二方のどこか噛み合わない会話にハラハラ。二十年以上前に発表されたものなので、今とは考え方も変わっているかもしれないけど、当時のミステリに対する思いが知れるのには興味深さを感じます。

ちぇん、

3
本格ミステリー論について、二つの軸の分類に対して他次元の要素を組み込もうとする島田と、インテリゆえに相手の主張の無理筋を堪え切れない綾辻。両者のすれ違いは深刻なものでなかなか折り合いが付かない様は心配になるほど。どちらかというと島田が頑なすぎるというか特異な印象論を理屈付けたがっているような気もするが…。尚それ以外の話題なら仲良さそうなことこの上ない。なお島田のお馴染み「厳しい女性観」(綾辻の表現)・日本人論も頻繁に見られる。「これが日本なんですね」…昔から好きな島荘ワードなのだがここが初出なのだろうか。2020/03/06

ぞの

2
それぞれのミステリーの考え方が面白い。それとは別に昔友人に言われた「ミステリーって起承転転結なんだよ」という言葉を思い出した。あれも面白かったな。まぁ、なにがいいたいのかというと、作品そのものではなく、本来付箋の役目でしかなかったジャンル自体、(この場合は本格ミステリー、新本格という『呼び名』)これに対して議論をするというのはここまで面白くなるんだぜってこと。読んでてワクワクする。つまり有意味であり有意義だ。2012/08/13

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