内容説明
本書は金融機関に関する本格的な教科書である。短期金融市場を重点的に扱っている。それは、各種金融機関は短期金融市場から離脱してはその存在基盤を失うからであり、また、現在、日本の短期金融市場がかなりの厚みを増すに至っているからである。長期金融市場については、資本市場の理論として、不確実性下における金融資産の評価モデル(CAPM)を解説。信用割当については、最近多くの理論がでているが、本書ではその中でも比較的定評があり、内容的にも平易なJaffe=Russellの理論を解説。銀行行動理論については、特に、不確実性下での銀行行動理論を扱い、現金準備管理理論および最適貸付理論を紹介している。これらの理論は、本書の中心的役割を果たしている。
目次
第1章 金融機関論の根底にある基礎概念
第2章 金融機関の定義と機能
第3章 商業銀行の経営ルールと経営構造
第4章 短期金融市場(貨幣市場)
第5章 資本市場の理論(CAPM)
第6章 確実性下の銀行行動理論
第7章 不確実性下の銀行行動理論(1)現金準備管理理論
第8章 不確実性下の銀行行動理論(2)最適貸付の理論
第9章 不確実性下の銀行行動理論(3)最適キャピタル・ポジションの決定
第10章 信用割当の理論
第11章 普通銀行以外の金融機関
第12章 利子率の決定理論
第13章 金融機関論のマクロ経済学的側面―貨幣・財政政策の伝達メカニズム