内容説明
建築家清家清の自邸「私の家」(1955年)は、最小限住宅ともいえる5m×10mの二倍正方形の50m2の平屋の「小さな痩せた家」である。居間には庭から出入りする。玄関もない靴履き式で便所や寝室にも扉のない完全な一室空間である。「ウサギ小屋」とか「動物園」とも自称するスキンシップの濃い戦後の新しい家族生活(home)の試みである。
目次
第1章 アカンサス・アーティチョーク・アイビー―幾何学的理性の退行
第2章 アクロポリスの丘の美しい夕日―パルテノン行
第3章 清家清の建築思想の原点
第4章 「私の家」再考―ギリシャのオイコス(家)、オイキア(家族)への愛
第5章 機能主義の超克(1)―Other Direction
第6章 機能主義の超克(2)―ファンクション(機能)からパフォーマンス(性能)へ
第7章 エントロピーの増大―死
著者等紹介
松野高久[マツノタカヒサ]
1944年、東京都浅草に生まれる。1968年、東京工業大学理工学部建築学科(清家研究室)卒業。同年、(株)レーモンド設計事務所入所。建築設計の傍ら1997年、第1回長塚節文学賞・最優秀賞『矢を負ひて斃れし白き鹿人―長塚節臨死歌考』を受賞。1993~96年、日本工業大学建築学科非常勤講師。「長塚節研究会」の常任理事。2005年、(株)環境デザイン研究所入所し現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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