内容説明
ユダヤ系イラン人の半生。イランで生い立ち、革命、戦争、そしてパキスタンからイスラエルへの決死行。「約束の地」での暮らしは。激動の歴史以上の波乱の人生を聴く。
目次
1 本書の理解のために(中東系ユダヤ人小史;イラン・ユダヤ・イスラエル)
2 革命前のイランに生まれて(エスファハーンとユダヤ人;家族・学校・言語;ムスリムの学校に編入;差別・反ユダヤ主義;音楽)
3 革命、戦争、そして脱出(革命;戦争と結婚;脱出を決意する;闇に潜んで山を越える)
4 乳と蜜の流れる約束の地にて(移民収容センターにて;ヘブライ語のクラスにて;イスラエル社会に飛び込む;ユダヤ系イラン人から、ペルシャ系ユダヤ人に)
著者等紹介
辻圭秋[ツジヨシアキ]
1983年、大阪府八尾市生まれ。同志社大学神学研究科博士課程単位取得満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はやしま
20
この内容を日本語で読めることはかなり貴重。よくぞ形(書)にしてくださった。驚いたのはダリア・パシャンドが1972年のミュンヘン五輪の黒い九月事件で初めてイスラエルという国を知ったこと、ホロコーストを知ったのはイスラエルに来てからだったこと、そして今もイランに住む彼女の姉が、2005年にアフマディネジャド大統領(当時)がホロコーストを否定する発言をした際に「ホロコーストって何」と妹に尋ねたこと。ユダヤ人とはいえイランの田舎に育った彼女たちにしてみたら世界の認識などそんなものかもしれない。2018/02/01
noémi
12
先日、youtubeの「えらてんチャンネル」でえらてんさんと著者さんの対談が面白かったので、興味を持って買ってみた。現在イスラエルに住むイラン系ユダヤ人、ダリアさんの半生を著者のインタビューをまとめたもの。中東の人のルーツというのはなかなか一筋縄ではいかない難しさがある。ダリアさんは夫が兵隊に採られることを恐れて亡命した。イランに住んでいるときは自分がユダヤ人であることを常に意識し、イスラエルに住む今は、自分はペルシャ系文化を担う人間であることに誇りを持っているという。非常に興味深い一冊。2018/11/15
Amano Ryota
7
印象に残ったのは、ダリアさんが「イスラエルに来て驚いたのは、他の中東系ユダヤ人にとってもそうかもしれませんが、ユダヤ教の実践に関して両極端に分裂している状況がある、ということでしたね。たとえば、ユダヤ教を実践している人は全て、一から十まで守る。例外はなくて、厳しい。実践していない世俗的な人は、何が何でも守らない。その中間がないのがすごく不思議でしたね。(…)「真ん中」が存在しない、というのがあまりよく理解できませんでした。」と答えている箇所。この真ん中というのが、彼女の半生と重なって、心に残るものがある。2018/05/02




