内容説明
近代シャムは突然生まれたのだろうか。「西洋の衝撃」に応え、明治日本と同時期に近代化を進めたタイ。そうした国家の基盤は実は近世に形成されていたのではないか。「停滞の近世」のイメージを史料から再考。
目次
1 ラタナコーシン朝(1782年‐)の成立と展開(ラタナコーシン朝の成立;王朝政府と地方統治;国書をやり取りする君主たち―外交関係の形成;ラタナコーシン朝の変容;大臣たちの履歴―出世コースの変化とブンナーク家の限界)
2 ラーマ三世王時代(1824‐51年)の文書システムと政治(増える行政文書;文書に基づく行政―上申文書の処理;文書の起草と発給の流れ―命令文書の発給;文書処理の担い手―実務官僚の上昇;三世王時代の政治構造―イギリス使節ブルックの条約改訂交渉;「王は王としか文書を交わさない」―文書システムの論理)
3 文書史料が語るラーマ四世王モンクット時代(1851‐68年)の政治(四世王モンクットとその時代;政治に意欲を燃やす四世王;親政を目指す四世王―宸筆と上奏文;四世王と官僚たち―カンボジア情勢をめぐって;チャオプラヤー・シースリヤウォンの台頭と官僚たちの識見)
著者等紹介
川口洋史[カワグチヒロシ]
1980年、愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科東洋史学専門博士後期課程満期退学。博士(歴史学)。現在、名古屋大学大学院文学研究科博士研究員。愛知大学、名古屋外国語大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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