内容説明
アム川はアラル海に流入する中央アジアの二大河川の一つだったが、ピョートル一世によってカスピ海への転流が企図された。複雑な地政学的理由によるこの壮大な構想は、その後数奇な運命を辿り、現在も環境問題に姿を変えて生きている。
目次
1 はじめに
2 転流構想の誕生(ジェンキンソンの中央アジア探検;ピョートル一世の転流構想;ピョートル一世の遺産)
3 転流事業の展開(ロシア帝国の中央アジア軍事征服;「旧河床」を求めて;企業家たちの進出;ロシア帝国中央政府とトルキスタン開発計画)
4 ソ連期の開発の遺産と今に生きる転流構想(中央アジアにおける革命、内戦、ソ連体制の成立;ソ連体制下中央アジアにおける大規模潅漑事業;カラクム運河とトルクメン幹線運河;アム川右岸の開発可能性;トゥヤムユン貯水池)
5 おわりに
注・参考資料
著者等紹介
塩谷哲史[シオヤアキフミ]
1977年宇都宮市生まれ。博士(文学)(東京大学、2012年2月)。専攻は歴史学、中央アジア近現代史。現在、筑波大学人文社会系助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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