内容説明
80万信徒を有する宗教団体の100年の歩み。近現代ベトナムが経験してきた社会変動の中で、カオダイ教団はいかなる変化を余儀なくされてきたのか。また、今日生じている「宗教の復興」以前にはどのような衰退があり、更にそれ以前にはどのような宗教事情が存在していたのか。…その政教関係史を解き明かす。
目次
序章
第1章 ベトナム共和国・第一共和政期(第二次世界大戦後のカオダイ教;ベトナム共和国の樹立;第一共和政期における「宗教」とは;第一共和政の崩壊)
第2章 ベトナム共和国・軍事政権期(軍事政権の誕生;世俗との繋がり;宗教政策の不在)
第3章 ベトナム共和国・第二共和政期(第二共和政の樹立;教団指導体制の変化)
第4章 ベトナム社会主義共和国期(社会主義体制下における変化;宗教弾圧のはじまり;「良好」な政教関係;ベトナム共和国末期)
終章
著者等紹介
北澤直宏[キタザワナオヒロ]
1984年生まれ。2016年、京都大学大学院アジア・アフリカ地位研究研究科博士課程単位取得退学。博士(地域研究)。専門は、ベトナム地域研究、宗教社会学。現在、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科特任研究員、東海大学教養学部非常勤講師、日本女子大学文学部非常勤講師。日本学術振興会特別研究員(DC2)、在ホーチミン日本国総領事館専門調査員を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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咲
4
「思想」「主義」というものとは、距離のあるところにいると思っていた。個人の思想には興味津々だが、国の思想など主語が大きくなればなるほど興味が薄れるのを感じていた。それでいて、なんてこったい。私ってば、なんのご縁か、お友だちとの海外旅行が、5年前は「ロシア」、今年は「ベトナム」。おいおい、偏ってるなあ。観光にあたって、今回、渋る相手を泣き落としのように半ば強引にカオダイ教本山に同行させてしまうことに成功した。すまないとは思っている。お勉強が好きな我々は、ちゃんと文献を読み、学んでから飛ぶのだ。楽しいね。2023/09/24
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