内容説明
儒学は過去のものではない。今も東アジア共通の文化基層をなし、各国を動かす大きな思想底流である。本書は、「華夷秩序」的構図を日本や朝鮮思想史の詳細な検討により廃し、東アジア全体のダイナミックな相互関係として再構築。儒学研究をリードし続ける著者の最新業績。
目次
第1章 東アジア近世の思想交流における概念の類型とその移動
第2章 東アジアという視点から見た中国の歴史思惟におけるキーワード
第3章 中・朝の歴史における儒教知識と政治権力の関係
第4章 朝鮮時代の君臣間の対話における孔子と『論語』―論述の脈絡と政治作用
第5章 東アジアの世界から見た江戸時代の儒者の倫理学的立場
第6章 石介と浅見絅斎の「中国」論述とその理論的基礎
第7章 東アジアの儒教的教育哲学が二一世紀にもたらすもの
第8章 王道文化と二一世紀における大中華の道
第9章 孫文の思想とその二一世紀における意義
第10章 思想史的観点から考える東アジア研究の方法論―山室信一理論の再検討
著者等紹介
黄俊傑[コウシュンケツ]
1946年、中華民国(台湾)高雄県生まれ。国立台湾大学歴史学科学士(1969)、同大学院修士(1973年)、ワシントン大学(シアトル)大学院歴史学部博士(1980年)。台湾大学人文社会高等研究院院長、中華民国通識(大学教養教育)学会理事長などを経て、台湾大学特聘講座教授(Distinguished Chair Professor)、文徳書院院長、中央研究院中国文哲研究所学術諮問委員。専攻は東アジア儒学、大学教養教育、戦後台湾史など
藤井倫明[フジイミチアキ]
1971年、愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語科卒、九州大学大学院文学研究科修士課程修了、同大学院博士課程修了。博士(文学)。中華民国(台湾)立徳管理学院応用日語学系助理教授、雲林科技大学漢学資料整理研究所助理教授、台湾師範大学国際漢学研究所助理教授、同大学東亜学系副教授などを経て、台湾師範大学東亜学系教授。専門は宋明思想、東アジアの朱子学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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