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内容説明
患者のナーディ(脈)を読み取る治療家の指先。診断から薬草の処方までの問診や応答なき治療。言語や発話を忌避し、分析を超越した医療体系は、積徳としての診療、供物としての代価の応答でもあった。伝統医療の根底に潜む生命観・世界観に迫る。
目次
序論(はじめに―沈黙からみえる世界;言語表象と単独性;「見分け言葉」とアクチュアルな言語活動;「病いの語り」の孤独;オーディット・カルチャーと“あなた”不在の物語;本書の構成と調査の背景)
第1部 パーランパリカ・ウェダカマという対象(受け継がれる医療実践;パーランパリカ・ウェダカマの位置づけ;治療家たちの「顔」)
第2部 治療効果の由来(アトゥ・グナヤ(手の効力)の由来
布施としての診療
供物としての「診察料」)
第3部 沈黙と秘匿性(沈黙の診断;名のなき草とその薬効;発話がまねく禍、沈黙がもたらす効力)
結論 沈黙と物象化―矛盾の先にみえるもの
著者等紹介
梅村絢美[ウメムラアヤミ]
1983年、愛知県岡崎市生まれ。東京都立大学人文学部卒業。首都大学東京大学院人文科学研究科博士後期課程修了。博士(社会人類学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD。専攻は社会人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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