感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲニウスロキ皇子
2
近代化の帰結としてやがて呪術は滅びるはずだった。だがどうだろうか。呪術は滅びるどころか、跳梁跋扈しているではないか!呪術とは近代と相反するものではないのではあるまいか。つまり呪術と近代とは、反発を運命づけられている、呪われた双子といえるだろう。本論集では近代と呪術との関係性を追い求めているが、いずれの論者においても明確な結論が出ているとは言い難い。だが、近代化とそれに伴うグローバリゼーションや新自由主義がもたらした歪みは、オカルト的想像力を育むには十分な培養地を拵えたということは明白である。2011/05/05