感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
245
ワインは「サイエンス<科学>とポエム<詩>の融合」で出来ている!(92ページ)。「カシスの芽」や「トマトの葉」「青ピーマン」は言うに及ばず、「猫のおしっこ」「馬の汗」「雨に濡れた半渇きの犬」(なんのこっちゃ!)。そして、「救急箱の香り」……。これらはワインの香りを表わす言葉。魅惑の香りを何とか表現したい、というフランス人の執念を感じる。日本人として初めてフランス・ボルドー大学の醸造学博士号を取得した筆者ならではの考察にあふれた1冊。2021/04/17
田中はにわ
2
言わずと知れた、ワイン醸造化学者の名著。ワインは科学とポエムの狭間にある、とはこの本には出てこないが、著者の名言――その言葉通り、この本には一貫して、ある種の切なさが通い続ける。あたかも香りというものが、けっして長く続くものではないかのような……2017/07/01