内容説明
ナチことばに隠されたHypertexte性は何を引き起こすのか?政治的言語は断絶するしかないのか?トルコ系移民の葛藤するドイツ語―。コミュニケーション不全の状況であらわれる、様々な断絶―ナチ体制下の言語、プロパガンダとしての映画、ナチズム克服の言説、「フクシマ」報道、ヘイトスピーチ…。そもそも「コミュニケーション」は可能なのか?コミュニケーションが成立しないことを前提に、問題を捉えなおす。
目次
第1部 ナチズムと言語(ドイツ語の「武装解除」はできるか?;国民社会主義のメディア研究に向けた視座;二重の美化―『意志の勝利』のプロパガンダ性をめぐって;戦後ナチ批判言説のはじまり―「集団の罪」の追及と反撥;ドイツ再統一と政治的言説の変容―国民の「不一致的統合」とある学問的スキャンダル;透かし彫りのナチ語彙―AfD党幹部ビョルン・ヘッケの言説をめぐって)
第2部 現代社会と言語(ドイツの「フクシマ」報道と新聞読者の反応―または社会を分断する言葉の流通;トルコ系移民のドイツ語―ドイツ社会における実態と認知をめぐって;難民・移民をめぐるコミュニケーション―「対抗する談話」構築のための予備的考察;ヘイトスピーチに関する社会言語学的考察;そもそもコミュニケーションは成り立っているのか?―「言語の檻」を超えるしくみ)
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