目次
第1章 脳科学とメタファー―身体性研究がいかにLakoff & Johnson(1980)の予見を実質化したか
第2章 会話分析とメタファー
第3章 メタファーと身体表象―発語から談話への展開と変容について
第4章 関連性理論からみたメタファー
第5章 計算論的アプローチによるメタファー研究の最新動向と展望
第6章 人の心と空模様―シェイクスピアのメタファーをめぐって
第7章 “感情は液体”メタファーの成立基盤と制約―概念メタファーの「まだら」をめぐって
第8章 三島由紀夫『金閣寺』における比喩の認知的分析
著者等紹介
鍋島弘治朗[ナベシマコウジロウ]
関西大学教授
楠見孝[クスミタカシ]
京都大学教授
内海彰[ウツミアキラ]
電気通信大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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センケイ (線形)
3
神経科学や計算論も交え、文理をまたいだ編纂が鮮やか。ジェスチャーといった周辺の事象も取り込まれており、研究分野を広く知るにも有用に見えるし、私のように趣味で作品を観る目を養いたい人間にとっても有用な情報がふんだんに含まれている。言語であれ動きであれ、確かに歴史的経緯の影響も示唆されるものの、基本的には似たもの・類似するもので喩えられる法則性があり面白い。〈感情は液体〉のような具体的なマッピングは前半にこそ少ないが、後半の章で固めて現れるので、言語の奥ゆかしさを楽しむ観点からも、一定の満足が得られるだろう。2018/12/31