目次
本書の目的と概要
第1部 現代日本語の「誤用」(“役不足”の「誤用」について;“なにげに”について―その発生と流布、意味変化)
第2部 「“全然”+肯定」をめぐる研究(「“全然”+肯定」の実態と「迷信」;「“全然”+肯定」に関する近年の研研究史概観;各種データベースによる実例の調査結果とその分析)
第3部 現代日本語の「気づかない変化」(“いやがうえにも”の意味変化について―「いやがうえにも盛り上がる」とは?;“返り討ち”の意味変化について;“ていたらく”について―「ていたらく」な自分とは?;“万端”の意味・用法について―今日と明治~昭和戦前との比較)
第4部 そのほかの注目すべき言語変化(“適当”の意味・用法について―「適当な答」は正解か不正解か;“のうてんき”の意味・表記について)
本書をまとめるにあたって
著者等紹介
新野直哉[ニイノナオヤ]
1961年生まれ。秋田県出身。1988年東北大学大学院博士課程単位取得退学。宮崎大学教育学部(現:教育文化学部)教員を経て、国立国語研究員。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shiba
3
「"全然"は否定形で用いるのが本来の用法、というのは迷信」という議論をはじめとした、日本語の語彙の変化についての論文集/いわゆる「誤用」をことさらに敵視し非難することに言語学者として異を唱え、丁寧に分析する姿勢に賛同する/先行研究への批判において、いささか攻撃的すぎるのではと思える書きぶりや、研究の内容には無関係な部分への言及がみられる/現時点では個別の語彙の研究事例集にとどまっているが、それでも「一定の意義は認められよう」としている→日本語学においていかなる学術的意義があるのかもう少し説明が欲しいところ2024/05/24