内容説明
声が大きくて、理路整然と話ができる人だけではなく、声が小さくても、まとまっていなくても重要なことばを発する人もいる。多数決だけでは、貴重なことばを練り合わせていくことは難しい。過去の美しいことばを美しく朗読しても、それは市民のことばにはなりにくい。新しい社会を作り出していくためには、新しいコミュニケーション方法が生み出されなければならない。市民の新しいコミュニケーションを考えるために、市民のことばを提案する1冊。
目次
子どもの可能性
他人との間で自分を確認する
人の話が聞けるようになるテクノロジー、トーキングスティック
他人とのコミュニケーションというものをもっと甘く見ていた
セルフエスティーム
自分に対する思いやりはないのか
正解は外側にあるという奴隷の原理
学習塾でのエイズの話
平成純情銭湯物語
迷惑をかけよう〔ほか〕
著者等紹介
加藤哲夫[カトウテツオ]
1949年福島県生まれ。1981年に出版社「カタツムリ社」を設立、1985年には、エコロジーショップ「ぐりん・ぴいす」を開店。1986年からエイズ問題、1992年より市民エコロジー事業のネットワーク化にとりくむ。近年は、NPOによる新しい市民社会のシステムづくりに取り組んできた。1997年11月には、NPO支援センターである「せんだい・みやぎNPOセンター」を設立。全国を飛び回り、さまざまな人々をつなぎ続けているNPO活動の仕掛人の一人
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
3000
1
かつて自分が行っていた市民活動のようなものが、いかに”わかっていない”ものだったかをひしひしと感じながら読み進めた。はじめるまえに読めばよかったのか、とも思うが、失敗したからこそ、意味のわかる部分が多くあったのだとも思う。震災以降、あるいは自民党政権下においても市民活動を進めていくために、読まれるべき一冊。2015/02/11
aof
0
徹底した当事者意識と、安心安全の場づくり。なぜ行政が主導では動かないのか、なぜ今協働なのか、のヒントではなく、答えが書いてある本だ。トーキングスティックをなぜ使うのか、なぜワークショップでポストイットが必需品なのか。Howtoではない、whyがきちんと書いてある。これはすごく大事な本。人から借りたけど、自分でも買おう。2014/02/05
Tsukio Toda
0
自分でできることは自分でしなさいというメッセージは同時に孤立しなさいということも含んでいる。 人に迷惑をかけることを恐れず、周りと協力していく姿勢が大切なのかもしれない。 拾う、数える、考えるというゴミ拾いのメッセージも面白い。2004/12/01
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