内容説明
本書は製造物責任における法理及び判例で世界の中心となってきた米国の不法行為法リステイトメント、および日本の製造物責任法の責任法理を検討し、まず「欠陥」とは何か(欠陥概念)を考察し、さらに、その欠陥の判断基準を比較検討したものである。また、消費者保護の面から欠陥に関する情報開示問題についても言及した。関連して米国ディスカヴァリ制度にも言及した。これらを通じて日本の製造物責任法の欠陥の判断基準の特質、問題点を検討し展望を加えた。
目次
第1章 製造物の欠陥概念(日本の製造物責任法における欠陥概念;米国の第3次不法行為法リステイトメント・製造物責任におけるDEFECT(欠陥)概念
日米の欠陥概念の比較)
第2章 製造物の欠陥の判断基準(米国における製造物の欠陥の判断基準;日本における製造物の欠陥の判断基準;製造物の欠陥の判断基準に関する日米比較検討)
第3章 欠陥の判断基準と欠陥情報開示のあり方(米国のディスカヴァリ制度;日本における欠陥に関連する情報開示制度)
第4章 まとめと展望(欠陥の類型区分化と欠陥の判断基準の明確化;欠陥・因果関係・欠陥の存在時期の推定;「開発危険の抗弁」の範囲縮減;製造物に関する情報開示のあり方)
著者等紹介
秋山直[アキヤマタダシ]
1963年慶応義塾大学経済学部卒業。同年帝人入社、マーケティング企画課長、帝人・ハーキュレス管理部長のあと帝人新事業部門において合弁事業設立契約・製造物責任などの法務・合弁会社等関係会社管理に関する業務を経て退職。現在は「製造物責任論」のあと「無形資産の貸借対照表能力論と法制度」(仮題)を執筆中
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