出版社内容情報
煙管職人の佐之助は,品物を届けた後,かつての恋人で今は老舗足袋問屋の女房おつなと再会した。帰途,誰かに追われている女の世話をする。一方,おつなはその日の夕刻に絞殺された。拷問にかけられた佐之助は罪を自白,死罪が確定する。しかし彼の無罪を信じる恋人と幼馴染みは,南町同心早瀬惣十郎とともに再調査に乗り出すのだが……。待望の書き下ろし時代長篇,遂に刊行。
内容説明
煙管職人の佐之助は、品物を届けた後、かつての恋人で今は老舗足袋問屋の女房おつなと再会した。帰途、誰かに追われている女の世話をする。一方、おつなはその日の夕刻に絞殺された。拷問にかけられた佐之助は罪を自白、死罪が確定する。しかし彼の無罪を信じる恋人と幼馴染みは、南町同心早瀬惣十郎とともに再調査に乗り出すのだが…。待望の書き下ろし時代長篇、遂に刊行。
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
昭和26年、東京都生まれ。国学院大学文学部卒業。中学校教員のかたわら、時代小説を執筆。平成2年、『夜の道行』で、第12回小説推理新人賞を受賞。以後、時代小説を次々と発表
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感想・レビュー
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真理そら
65
ミステリー風味の強い捕物帳。まだ早瀬のキャラが明確ではないため地味な印象の作品。初期の千野さんはどこか藤沢周平っぽい、暗いのに優しさが感じられるからかも。冤罪が立証出来て左之助は死なずに済んだけれど連帯責任で江戸所払いになった親方やそのせいで安定した職場を失った職人仲間たちの立場はどうなるんだろうと細かいところが気になってしまった。2021/06/30
ひかつば@呑ん読会堪能中
6
拷問により自白し死罪が決まった職人の処刑日が迫る中、職人の許嫁、幼馴染らと冤罪を晴らすため真犯人を追うという話。主役の同心早瀬が妻との間に作ってしまった溝をどう埋めるのか、という横糸が本筋に上手く絡まって、どうしようもなく暗いテーマの話がスリリングなミステリーに仕上がっている。本作は10年前に書かれたシリーズ1作目、重い雰囲気はあるが続編を読んでみたい。2012/12/04
ひさか
3
2002年2月ハルキ文庫刊。書下ろし。シリーズ1作め。最近の人情が全面に出ている作品とは異なる、長編本格推理もの。地道な捜査を重ね、無実の罪に陥れられた男を救う緻密な構成のストーリで、面白かったものの、地味過ぎて、息切れがし、読み辛い面もありました。しかし、なんとか、読み終わりました。事件の話と並行して語られる惣十郎の妻の琴江の件が、次巻に持ち越しになり、気になるので、もう少し読み進めます。2016/07/11
nemu
2
仕事が忙しいのは分かるけれど,奥さまにもうちょっと優しくした方がいいよと思った。2018/06/22
山内正
2
銀煙管を納めて町を歩く内見覚えのある女と出会う五年前別れたおつな おつなはごめんなさいねと詫た 日暮れ前船に乗る際若い娘がのりこんだ後娘と別れ船を降りた あくる日おつなが殺された 佐野助は疑われ牢屋に入られたが 船に乗る時刻が周りの証言と半時ズレる 同心早瀬は佐野助ではないと 再度調べ直す面白さが犯人を追う 2018/04/27