内容説明
小説家詠子には秀美と徹という恋人がいたが、徹にプロポーズされたことが元で、二人とも失ってしまう。失意の日々を送っていた詠子だが、ある日自宅の前に徹が現れ口論となる。徹に暴力を振るわれそうになった時、通りすがりの女性、絵里花が救った。彼女は美しく気品のあるお嬢様だった。だが、それは彼女の本性を覆い隠すものでしかなかった…傑作ルナティックホラー、待望の文庫化。
著者等紹介
森奈津子[モリナツコ]
1966年東京生まれ。立教大学法学部法学科卒業。主に性愛をテーマに、現代物、SF、ホラー等を発表している。著書に『あんただけ死なない』(角川春樹事務所)、『西城秀樹のおかげです』(イースト・プレス)等がある。趣味はカクテル作りと飲酒、島唄と三線、ゲイ・カルチャー観察、手乗り文鳥の飼育
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紅
12
とても怖かった。美しいお嬢様である絵里花。そこに隠された異常な執着。異常なほどの恋愛やセックスに対する拒否感。それにしても、狂っていて美しい女性というのはなんとも魅力的な存在だ。現実世界でなければ、だけれど。2014/04/29
alias1819
4
仕事の繁忙期が重なってしまって、思う様に読み進めることが出来なかったのだけど 本日 無事に読了。森奈津子さんのウィットに飛んだ面白さのある小説は昔から好きなので、この本を見つけた時は思わず喜んでしまった。ホラーなのだけど、森さんらしく 所々笑いのツボを刺激してくる文章なので 読み易いかも。絵里花みたいな人が近くにいたら怖いな…。2011/06/10
No.7
1
ジャンル的に苦手かな?と思い、期待はしてませんでしたが、滅茶苦茶面白かったです。A子…いや詠子の心理や夕子との掛け合いが笑えて最高でした。2022/01/09
お萩
1
なんだか独特の世界観。ストーリーだけ追えばシリアスになろうが詠子の個性的な感嘆詞とか夕子とのやりとりで笑ってしまう。絵里花はノンセクというよりはAセクな気もする。秀美は魅力的なキャラクターだったので結果が残念で仕方ない。読後はあまりよくないけれどあとがきが面白くてちょっと救われた。2014/02/25
あつきグリンピース
1
ホラーなのに怖くない。こんな世界もあるのか。2012/05/12