内容説明
遙かかなたの地平線まで、鷹揚に風の紋を刻んでただただ広がる紫の砂漠。なにかが呼んでいる―砂漠の果てに生まれ、砂漠とともに過ごし、砂漠に強く心惹かれるシェプシは、神の領域であり、禁域とされている紫の砂漠へ思いを募らせる。四つの月を持ち、「真実の恋」によって男女の性差が決定するこの星で、シェプシの冒険がいまはじまる。芥川賞作家・松村栄子がおくるファンタジーノベル。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかまい
6
最後まで、のめり込めませんでした。思考や行動が7歳とは思えなく、違和感が強かったからでしょう。2015/11/07
ちびのすけ@灯れ松明の火
6
再読。無性に読みたくなって探したら見つからず、絶版になってたので古本買いました。設定が複雑だけど面白くシェプシと詩人そしてもしかして真実の恋の相手だったかもしれないジェセルとの別れ…辛過ぎる。このままだと救いがないけれど、『詩人の夢』で報われる。できればワンセットで出してもらいたい。絶版はどうにかならないものかな〜凄く好きなのに勿体無いです。詩人が一番好き。2012/09/26
cecilia
6
真実が見え始めてからぐいぐいきた。初めはこんなにしっかりした設定とは思わなかったので最後あたりはびっくり。現実は容赦なくて厳しいけど、紫の砂漠の描写や真実の恋などロマンチックな雰囲気が漂う。そして詩人の過去がとてもとても気になる。一体何があったのだろう。「光の剣」はライトセーバーを思い出した。 「けれどまさにそれがやってきたとき わたしの目には空など映らなかった……」この詩が良い。2011/09/24
Gulico
6
「紫の砂漠」、紫は紫でも赤味の強い紫だったり、真紫ではなく、青味の強い紫というイメージ。「楽しい」話ではなく、望郷の念だったり、そこはかとなく漂う孤独感であったり。好奇心から得られたものは確かに大きかったけど、その代償として失ったものも二度とは得ることのできないものであったというのがシビア。良質のファンタジーなのでぜひ読むことをお勧め。2010/04/30
kulo46
4
ファンタジーとしてこなれていない感じがして、また物語を引っ張るものが足りないように思う。旅に出るまでが長くて長くて。。。世界自体を説明しないといけないファンタジーにおいて、叙情的にかつ丁寧に世界を捉えて描く作者の作風は冗長なのかなーと思った。後半はスピードアップする。 ただ、主人公の感覚とか感情はとてもみずみずしいし、世界も綺麗だし、恋に恋する感覚や、ガキ大将が女性になる様の切り取り方とかはさすが。2012/04/10
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