ハルキ文庫<br> 人喰い病

ハルキ文庫
人喰い病

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  • サイズ 文庫判/ページ数 203p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784894567672
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

どんな抗生物質も抗ウイルス剤も通用せず、数週間から二カ月間で確実に死に至る奇病「全身性皮膚潰瘍症」の正体に迫る表題作をはじめ、低体温症の女性とその一族の隠された謎を探る『雪女』など、最新の医学知識と遺伝子工学からつむぎ出された世にも不思議な物語。―鈴木光司『リング』『らせん』、瀬名秀明『パラサイト・イヴ』等の作品に大きな影響を与えた理系小説の旗手が贈る真実のサイエンス・フィクション。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ai

8
伴名さんのアンソロジーでも読んだが、『雪女』はやはり傑作。表題作は、人間がゾンビにでもなるのかと思ったがそうではなく、人体が腐っていく謎の症状の話。石黒さんのSFのおもしろさは、理詰めの設定。論文を書くように、データ収集・分析・実験を繰り返す。ドラマ的な部分がそぎ落とされているのに、おもしろい。2021/07/15

ホレイシア

7
うおーったまらない、石黒作品、文句なしに大好き。天は二物を与えるじゃないかっと、この方の作品を読むたびに思う。前にもどこかに書いたが、現役のお医者様だけに、どこまでが虚構なのかがわからないところがいい♪。ちょっと題名がアレだけど、最近のパフォーマーなお医者さんが書くものとは一線を画する落ちついた、冷静な文章がたまらんですわ。2010/04/12

三柴ゆよし

6
表題作や「雪女」は著者お得意の医学SF。先に『冬至草』を読んだ身としては新味はなく、個人的には遭難者の男が発見した新種の生物をめぐる奇譚「水蛇」に心惹かれた。霧深い山の洞窟に生息する水蛇の独自の生態と、孤絶した環境に置かれた主人公の心理とがリンクする、奇妙にトリッピーな短篇。他者との関係性の枠内から逸脱したガラパゴス的な生を営むことは、自家中毒に陥る危険性を大いに孕むものである。浮世に蔓延る偏屈人間諸兄は寓話として読むがいいよ。2011/08/15

ナカユ〜、

5
お得意の調書を辿る形をとった表題作や蜂に現れる不安など文体としては簡素でありながら観察眼の鋭さを表現したら天下一品だ~なね。新作書いてくれないかなぁ。2014/12/07

inugamix

5
透徹した視線と怜悧な文体で以下略、安心の石黒節。圧倒的な知識のバックボーンが頼もしく、文体も完成していて、てらいが目につく所興の冷める所がない。本当に完全に安心して読める作家さんです。医学的探求の推理小説的道筋を粛々とたどる表題作が面目躍如、「水蛇」がそそる酩酊感に新味。2012/01/11

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