内容説明
MM‐八八菌―実験では、摂氏五度で異常な増殖をみせ、感染後五時間で九十八%のハツカネズミが死滅!生物化学兵器として開発されたこの菌を搭載した小型機が冬のアルプス山中に墜落する。やがて春を迎え、爆発的な勢いで世界各地を襲い始めた菌の前に、人類はなすすべもなく滅亡する…南極に一万人たらずの人々を残して。人類滅亡の恐怖と、再生への模索という壮大なテーマを描き切る感動のドラマ。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
青乃108号
182
半世紀以上前の小松左京作品、初読。宇宙からもたらされた未知のウィルスが厳重な管理下で軍事用に研究され恐るべき感染性と致死性を持った時、ある「事故」によって世界に解き放れてしまい…これは人類の存亡をかけた闘いを描いた物語である。人類よ、無益な争いをやめよ、隣人として互いを愛せ。この作品のメッセージは強く心に残る。半世紀の後人類は世界規模の疫病のパンデミックを実際に経験し、我々は「それ」を乗り越えて今があるのだが、残念ながら争いの火種は世界で絶える事なく続く。あの程度の厄災では人類は何も学べないのだろうなあ。2025/11/21
サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥
122
パンデミックSFの傑作。秘密裏に開発された恐るべき威力を持つ細菌兵器が世界を襲い、南極大陸に残る僅か1万人の人間を残して人類が滅亡する。細菌やウィルスの怖さはそれが目には見えないこと、伝染することもあるが、それ自身が容易に変異することだろう。今は大した危険性の無いウィルスでもいつ変異を起こしてあらゆる治療薬に対する耐性や恐ろしいほどの致死性を持つとも限らない。50年以上も前の作品であるが今読んでも全く古さを感じない。それどころか、今だからこそより恐怖を感じた。五つ星です。★★★★★2020/03/05
おかむー
106
日本SF界の大家小松左京の1964年の作品だが、半世紀過ぎた今でもあまり古さを感じさせずむしろ昨今のパンデミックものと見比べても遜色ない。せひとも読んでおくべき一冊ですよ。『たいへんよくできました』。キューバ危機直後の時代背景を色濃く反映しながら、その設定を絡めつつ細菌兵器によるパンデミックのシミュレーションのひとつの形として説得力がハンパない。鳥インフルエンザの流行とヒトの新型インフルエンザなんて展開はつい数年前にも現実になっている(滅亡まではいかないけど)ことを考えればその先見性に脱帽ですね。2016/04/29
TATA
82
コロナウイルスの影響が日々濃くなる中、パンデミックによる人類の危機を描いた本作を一読。被害が深刻化する場面では、今の状況と似たとこもあり背中にジトッとしたものを感じます。小松左京さんは映画で観た「日本沈没」、「首都消失」以来。絶望的な展開の最後に僅かばかりの希望を感じるラストに幾許かの安堵。あとは科学者目線なのはさすがにSFの大家である小松さんというところでした。繰り返しですが、ホントに中盤は読んでて怖かったのです(泣)。2020/03/19
おか
77
この本を初めて読んだのは 20代前半。当時はSFと言うと 荒唐無稽 という言葉が当てはめられていた様に思う。そして50年近い年月を経て再読して思ったのは 小松さん 貴方は凄い!という事。著者自身が後書きで言っている様に 膨大な資料を駆使して書かれている。若い頃は 色々な蘊蓄が 著者自身の創作(フィクション)であるかの様に思っていたが 大きな間違いであった。内容は 非常に怖いが しかし 現代において決してフィクション等ではないという実感がある。一番感じるのは国防という秘密主義 そして滅亡する迄 →続2017/08/26
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