内容説明
マルキ・ド・サドの思想を従横に紹介しつつ、フーリエ、マルクス、トロツキー、ブルトン、バタイユなどの精読を通して、テロル、悪、美、ユートピアなどについて独自の考察を開示し、自らの文学的位相を確然と宣言した記念碑的なエッセイ八篇―サド的明晰性につらぬかれた過激な想念が全篇に炸裂する、著者三十一歳の処女エッセイ集。
目次
暗黒のユーモア あるいは文学的テロル
暴力と表現 あるいは自由の塔
権力意志と悪 あるいは倫理の夜
薔薇の帝国 あるいはユートピア
母性憎悪 あるいは思想の牢獄
サド復活―デッサン・ビオグラフィック
文明否定から新しき神話へ―詩とフロイディズム
非合理の表現―映画と悪
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SKH
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タイトルで笑う。2016/06/12
冬至楼均
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革命が無ければサドは生まれなかっただろう。2014/09/25
hikarunoir
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書かれた当時、革命云々と言ってた同時代のバカに向け、「お前ら勘違いしてない?」と革命的意識の本義を様々な引用で示している。2012/10/16
massn
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澁澤の処女批評集。近代の怪物サドは、合理主義、進歩主義の支配に対して永遠に反復的にノーをつきつける。知的転回の経験というよりも、近中世のめくるめく逸話の数々に魅了される。文章はいささか難解だがそこを快とするのがサディスティックな妙技。2011/06/13
更新停止中
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都のアレの流れで15年ぶりぐらいに読み返してみた。この澁澤は若いなあ。2010/12/20