内容説明
富士見ケ丘刑務所で囚人・久保光男が医務課長の前田医師を殺害する事件が発生した。前田の後任として赴任した女医・若宮冴子は、一般社会とはかけはなれた、医療体制や刑務所内の人間関係に当惑するが、徐々に自らの信念を所内に、そして囚人たちの間に浸透させていく。ある日、懲罰房である地下牢に入っている久保の健康診断にあたった冴子は、前田医師殺害の裏に、刑務所ぐるみの不正を嗅ぎつける。公正な裁判を求めて調査を開始した冴子だったが…。刑務所という閉鎖された空間に繰り広げられる人間模様を描き切る、期待の新人によるヒューマン・プリズン・ミステリー。
著者等紹介
二条睦[ニジョウムツミ]
東京出身。刑務所職員という特異な職歴を持つ。矯正心理学を専門とし、勤務官署は刑務所・拘置所など10庁に及ぶ。塀の中だけではなく、捜査・法廷も得意とする。在職中に、北は綱走から南は沖縄までほんんどの矯正施設(刑務所、拘置所、少年院、少年監別所、婦人補導院)を見て回ったという経験を生かし“ヒューマン・プリズン・ミステリー”という新たなジャンルに挑戦した本作でデビュー
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