感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
橘
6
不思議でブラックな短編集でした。絵本にしてはわからない話もありましたが。宇野千代さんのお話ってこんな風なんだ、とちょっと驚きでした。2011/07/03
rumi
3
恋多き女宇野千代の短編集。彼女が一番愛したとされる東郷青児の淡い色調でありながらシュールでモダンな挿絵がよりお話に深みを添えている。物悲しく誰もが昔の心の傷を思い出しそうな話など全体を通してとりとめないがチクリと痛い。男性遍歴から奔放で自分の気持ちに忠実な女性だと思っていたが相手の心を読み尽くし過ぎる方なのがうかがえた。2012/07/14
Mizuna
2
ずいぶん前のことですが、「生きていく私」という宇野千代さんの自伝的なドラマがありました。そのドラマで宇野さんと東郷さんの関係を知ったのですが、2人でこんなに優しくはかなげな作品を生み出していたとは…。宇野さんのたおやかな日本語はどこまでも美しくて、心に沁みました。2020/07/31
うちこ
2
宇野千代さんと同棲されていたことがあるという画家「東郷青児」さんの絵と宇野さんの文章。艶っぽさ、不気味さ、悲しさ、可笑しさが織り交じっていて、読んでいる間に子ども心になってみたり、乙女心になってみたり、男心になってみたり。とても素敵な絵本でした。 短編がいくつも入っているのですが、どんな人にも、なにかのときの気持ちを思い出させる引きがねがあるのではないかしら、と思いました。2009/03/26
nadami30
1
宇野千代の文書と、東郷青児の挿絵。 大人とか子どもの、ちょっとした揺らぎで少しだけ現実が傾いた瞬間を切り取った短編集。 どこか後悔していて晴れがましくない心象風景と水彩画のバランスが絶妙。 特に「午後」が素晴らしい。妻と死別した洋服屋とのキャッチボールの合間の会話が秀逸。 帯で江國香織さんが書いているように、いいにおいのする日本語だと思う。 タイトルに偽りなし。 2021/11/23




