内容説明
エゾリス、エゾモモンガ、エゾフクロウ、ノラネコも…。住宅街の真ん中に鎮座する200メートル四方ほどの神社の境内は、20種類以上の動物たちがひしめく小宇宙だった―。十勝・音更神社に30年以上通い続ける自然写真家が追い求めた、鎮守の杜に生きる野生生物の素顔。
著者等紹介
矢部志朗[ヤベシロウ]
自然写真家。1946年音更町生まれ。農水省を退職後、小動物と森の共存にこだわり、それらをテーマに野鳥、花、風景など北海道全域の自然を撮り続ける。(社)日本写真家協会会員、日本自然科学写真協会会員、北海道新聞帯広文化センター講師。矢部写真事務所主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぽんくまそ
9
写真集。モモンガやフクロウもいて本当に「小さな」森なのかと思わせるほど質が濃い森だ。7年撮影してきたエゾリスが寄ってきて松の実を齧り、そのまま老衰死する。そんなことがあるのか。そこまで深く真剣に森の動物たちと向き合ってきた写真家が生の営みを語る誠。水・掟・愛・生・命・光。生を終えているはずなのに結晶して奇跡的な美しさを見せる昆虫の羽。レストランに置いてあった寄贈本。良い出会いをした。2022/05/06
chatnoir
4
あまり大きくない町の役場やら学校やらがある人間の生活圏にある神社の鎮守の杜で逞しく生きている野生動物達の写真集。種類も豊富です。どれほどの時間をかけて撮影しているのか、本当にベストショットばかりです。一番好きなのは、フクロウを間近に臨むエゾリスさんの写真。大丈夫なのかと心配になります。キタキツネと野良猫のスリリングな関係も気になります。今は猫が優勢のようですが...。後、さらっと書かれていますが、蝦夷リスさんとのお別れエピソードが涙を誘います。最後のページの動物になりきった自己紹介文、ユーモアがあります。2015/03/15
さえ
1
モモンガ・リスが好きなので、たくさん載っていて嬉しい。でも、それらを狙う生き物や、昆虫たちも、すべてが揃って、ひとつの森・杜なんだなぁと思いました。私の好きな写真は、春のページの切り株の上で片足で立っている瞬間のリスさん。まるでタップダンスでもしているみたい!そしてモモンガの写真はどれも可愛くて選べない…。最後の登場動物の自己紹介は文章が面白く、何度もクスッとしてしまいました。この生き物たちの暮らす環境が守られ続けることを願います。2015/11/30