内容説明
釧路湿原内にある野生生物保護センターを拠点に、全国でも数少ない野生専門の獣医師として働く著者の活動の記録。特に傷ついたシマフクロウ、オオワシ、オジロワシといった希少猛禽類の救護と治療を担い、野生復帰という大目標に向け日々心血を注ぐ。エゾシカ猟が原因の鉛中毒、鉄道・自動車や風力発電施設への衝突事故など、絶滅の危機に瀕する鳥たちを取り巻く人為的危機が増す中で、被害状況の把握とその予防に力を尽くす著者が訴える「環境治療」の考え方とは何か。
目次
1章 猛禽類を守る(なぜ猛禽類を守るのか;野生生物保護センターの役割 ほか)
2章 鉛中毒(ワシが大量死;エゾシカ猟増加に連れて ほか)
3章 人間界との軋轢(事故予防と専門家との連携;具体的な予防策を提示 ほか)
4章 大量死防止と「野へ返す」こと(サハリン資源開発の脅威;人獣共通感染症への対応 ほか)
5章 未来へ―(厳しい台所事情の中で;苦い経験が生んだ診療具 ほか)
著者等紹介
齊藤慶輔[サイトウケイスケ]
1965年、埼玉県生まれ。獣医師。幼少時代をフランスで過ごし、野生動物と人間の共存を肌で感じた生活を送る。1994年より環境省釧路湿原野生生物保護センターで野生動物専門の獣医師として活動を開始。2005年に同センターを拠点とする猛禽類医学研究所を設立、その代表を務める。絶滅の危機に瀕した猛禽類の保護活動の一環として、傷病鳥の治療と野生復帰に努めるのに加え、保全医学の立場から調査研究を行う。近年、傷病・死亡原因を徹底的に究明し、その予防のための生息環境の改善を「環境治療」と命名し、活動の主軸としている。世界野生動物獣医師協会理事、日本野生動物医学会理事、環境省希少野生動植物保存推進員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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