内容説明
多くの人命が失われ、日本中が震撼した「あの日」東北の地で生を受けた31の“いのち”。その誕生の物語をつづった感動の手記集。
目次
1 あの日、あの時(恐怖で産めない…と泣いた私―大町云櫻くん(宮城県仙台市)
再確認できた家族のありがたみ―石塚遥来くん(宮城県仙台市)
出産中に揺れがどんどん大きく―菅野悠人くん(福島県新地町)
被災地を10キロもさまよった―大久保真弥くん(宮城県塩釜市) ほか)
2 たくましく未来へ(福島に残るかどうか悩んだ日々―高橋梨希ちゃん(福島県郡山市)
復旧・復興していく姿を見守りたい―新井和穂くん(福島県福島市)
何があってもこの子を守らなくては―星山琉菜ちゃん(福島県富岡町)
やっと「希望の子」と思えるように―阿部太洋くん(岩手県北上市) ほか)
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっ!chan
26
「君の椅子プロジェクト」~かけがえのない生命に居場所としての椅子を贈る~思い出の記憶装置~素敵なプロジェクトだと思う。被災地で3.11に生まれた104人の新しい生命に送られた104脚の椅子…素直に喜べない誕生を後押ししてくれたプレゼント…その瞬間の様々なドラマや心の葛藤、何の飾りのないその文章に素直に感動する。特に医療関係者の瞬時の行動にはプロ意識以上の何かを感じて涙腺決壊。そして今五歳をむかえた君たちには、親は基より周りから託されたその思いを是非ぜひ実現してほしいと思う。2016/06/12
シュエパイ
10
うまれてきてくれて、ありがとうなのです。うんでくれて、うむことをたすけてくれて、ありがとうなのです。あの日、幾つも命が失われた日に、それでも産まれてきてくれた命たちと、守ってきたお母さんたちのお話なのです。ひとりひとりのお母さんたちの恐怖の叫びが耳に聞こえるようでした。だからこそ、私は思うのです。罪悪感なんて感じなくて、よいのですよ、3/11であっても、哀しいことが一杯起きた日であっても、目一杯、この子たちの誕生日を祝ってあげるべきなのです。そうあってほしいと、おもうのです。2014/03/22
きゅー
7
「君の椅子」プロジェクトは、地域社会と家庭を繋ごうという取り組みだ。その地域で誕生した子どもたちに職人が手づくりしたそれぞれデザインの異なる「君の椅子」を贈る。「生まれてくれてありがとう。君の居場所はここにあるからね」という思いを込めているという。東日本大震災の発生したまさにその日に東北3県では104の新しい生命が誕生していた。このプロジェクトは、連絡の取れた98家族の元へそれぞれ「君の椅子」を贈ることになった。本書に収録されているのは、喜びとともに困難な日々を過ごした彼らからの手紙。2023/11/17
志桜
7
「生まれてくれてありがとう。君の居場所はここにあるからね」このメッセージだけで涙がボロボロとこぼれました。あの震災にかかわる本の感想は書きづらいのですが、このメッセージが全てを代弁してくれます。あの日生まれた全ての命と、その日が誕生日の皆さんへ。あなたの生まれた日は、素晴らしい日なのです。2014/11/07
ともがら
6
生まれた子たちがいて、そして生まれるはずだった子たちがいたことには思い至らなかった 今また熊本で震災が起こり多くの方々が大変な思いをされているだろうと思うと、やりきれなくなる2016/04/21