日ロ現場史―北方領土‐終わらない戦後

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  • サイズ B6判/ページ数 611p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784894537149
  • NDC分類 319.103
  • Cコード C0036

内容説明

戦争を原因として、日本は二つの領土問題を抱えた。米国の管轄下に置かれた小笠原や沖縄など「南方領土」と、ソ連に占領された千島列島南部(南千島)の国後、択捉両島と、色丹島、歯舞群島の四つの島「北方領土」だ。領土問題に限ると、南方領土は1972年5月15日に施政権が返還されて解決した。一方、北方領土問題はいまだに解決していない。戦後は終わっていない。2013年度新聞協会賞受賞。領土問題がクローズアップされている今だからこそ、読んでおきたい1冊!

目次

第1部 「境界」の海(変わらぬ光景;中間ライン ほか)
第2部 平和の海(貝殻島コンブ漁;大量拿捕事件 ほか)
第3部 霧の北洋(張り込み;再開 ほか)
第4部 対ソ交渉と元島民(冷戦の影;占守島攻防戦 ほか)
第5部 冷戦後の領土交渉(最大のチャンス;クナーゼ提案 ほか)

著者等紹介

本田良一[ホンダリョウイチ]
1959年、熊本県生まれ。82年、京都大学経済学部卒業。古河電工、北海道庁を経て、85年、北海道新聞社入社。根室支局、本社政治部、ハバロフスク駐在、東京支社政治経済部、モスクワ駐在、東京支社国際部、小樽、釧路、函館の各支社報道部などを経て、現在、本社編集局報道センター編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Shu

5
領土問題、終わらない戦後。2014/12/05

勝浩1958

5
北方領土の海域での操業は拿捕や銃撃の恐れが絶えずあったので、ソ連側に日本の情報などを与える見返りに安全操業が保障される「レポ船」や「特攻船」という密漁船によって根室の街に巨額の金が落とされていたことを知った。 日本政府は1955年ロンドンで日ソ交渉が始まったときは歯舞・色丹の2島返還で平和条約を結ぶことが国益と考えていたが、その後自民党の党内抗争、日ソ和解を阻止したいアメリカの思惑などもあり4島返還に変わった。国際環境が変われば国の外交政策は変わらざるをえず、地元住民はその都度一喜一憂したのだ。2014/02/14

Toshiaki Konishi

2
実際に国後島と歯舞諸島を見たので購入。 領土問題の最前線での現実を生活と政治の両視点から纏められた力作。 北海道を旅行する際に稚内と根室が何故発展したのかを考え、樺太と千島列島との経済的繋がりに辿り着いた。国際政治と経済の移り変わりの中で生き残りの為に努力している現地の人々のためにも一日も早い解決を望む。 戦後の領土問題が南方と北方があり、今も領土問題は二国間だけでは解決できないことが良く分かる。 言葉の微妙な解釈で成り立つ交渉を重ねてしまうと解決から遠ざかってしまうのではと素人ながら危惧してしまう。2014/09/15

げんさん

2
これは道新にしか作れない大変な労作。副題にあるように、北方領土周辺の海域では、戦後はまだ終わっていないようだ。幼少期、ニュースなどで、レポ船、特攻船や貝殻島コンブ漁解禁などを見た記憶があるが、漁業の変遷、を丁寧に追っており、よく理解できた。また、第4~5部の日ロ交渉の経過を見ると、領土返還の数々のチャンスをふいにしてきたのだなあと実感した2014/05/07

たけふじ

1
92年のクナーゼ提案と森喜郎時代の並行協議。エリツィンによる「共同経済活動」提案と安倍晋三の「共同経済活動」。そして01年イルクーツク声明と18年のシンガポール会談での「56年共同宣言を基本に」。多くの場合、ソ連側から歩み寄りがあり、それを日本が拒否したことでソ連も態度を硬化。最終的には日本側がソ連のかつてした提案をするが、今度は受け入れられない…その繰り返し。その中で揺さぶられてきたのが根室地域の漁業だった。2019/10/03

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