内容説明
窮地にある自らの生地・夕張、その再生の途を探るエッセイ「夕張への想い」。かつて祖父や父たちが生きた択捉島に、ソ連崩壊直前、日本人作家として初めて足を踏み入れた歴史的ルポルタージュ「遙かなる故郷エトロフへ」。山本周五郎賞・新田次郎文学賞作家の原点が初めて明らかになる。佐々木譲初のルポ・エッセイ集。
目次
第1章 わが夕張わがエトロフ(夕張への想い;ふたつの町の物語;遙かなる故郷エトロフへ;色丹、択捉を訪ねて)
第2章 中標津にて(俺たちの空、俺たちの硬球―中標津農業高校野球部;干し草通信;少女が救いを求めて来たのに;北海道遺産・格子状防風林)
第3章 時代の激動を歩く(バルト三国は燃えていた;東欧の戦争と革命の影)
第4章 歴史の隙間を紡ぐ(北の輝きに惹かれて;歴史を読むための地理感覚)
著者等紹介
佐々木譲[ササキジョウ]
1950年北海道夕張市生まれ。広告代理店、自動車メーカー等での勤務を経て、1979年、『鉄騎兵、跳んだ』で第55回オール讀物新人賞を受賞してデビュー。1990年、『エトロフ発緊急電』で第43回日本推理作家協会賞、第3回山本周五郎賞受賞。2002年、『武揚伝』で第21回新田次郎文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nori
2
作者の生まれ故郷である夕張については2話分ほどで、作者の父の生まれ故郷、択捉島を訪問した際のエピソードや、仕事場を持つ北海道の話、バルト三国を旅した際の記録などテーマは多岐に渡り、どれも興味深かった。2015/09/20
ゆふいん
2
「歴史を読むための地理感覚」に唸る。この一篇を読めただけでも、価値のある一冊だった。同じ日本人でもこういった感覚の差異というのは現れてくるものなのか。後は、冒険小説を書く作家にありがちな、自己陶酔に満ちたエッセイではない辺りに好感を持った。男らしさを演出しようと必死な作家っているからねえ。誰とは書かんけど。 2011/04/07
ねぎまぐろ
1
★★2025/04/04
たか。
1
佐々木譲初のルポ・エッセイ集!ってことで読んでみました。北海道の人と内地の人の地理感覚の違いは興味深く面白かった。深かった。北海道在住の作家さんらしく、北海道に対する思いを感じる事が出来ました。100000ページ突破!2010/09/05
fourthwindow
1
久々に神保町に行き三省堂で購入。前に八重洲ブックセンターにあった地方出版社のコーナーがなくなっていた。あまりまとまりはないルポ・エッセイ集2010/02/22