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内容説明
「余、生来画を好む…」聖画にこめた情熱と苦悩。
目次
1 画家をめざして―浮世絵、日本画、そして洋画へ
2 工部美術学校時代―日本最初の女子画学生
3 正教との出会いとロシア留学―「滞露日記」をもとに
4 帰国、そして迷い―一人の洋画家として
5 イコン画家として―祈りの造形
6 北海道の正教会とりんのイコン―時代を超えて祈りをみつめる
おわりに 山下りんにとって「描くこと」とは
著者等紹介
大下智一[オオシタトモカズ]
1967年、北海道函館市に生まれる。1991年、北海道大学文学部を卒業。北海道立函館美術館学芸員を経て、1999年から北海道立近代美術館学芸員。1999年、『山下りんとその時代』展(1998年、北海道立近代美術館ほか開催)図録論文「山下りん―「明治」という時代の中で」で、第一回美術館連絡協議会図録奨励賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
崩紫サロメ
13
山下りんは日本正教会を代表するイコン画家である。といっても、正教会やイコンという言葉にあまり馴染んでいない人も多いだろうから、そのあたりについても分かりやすく説明された本である。著者は美術館学芸員でキリスト教徒ではないが、鐸木道綱氏を始めとする日本正教会信徒や神品(聖職者)の協力を得て執筆されており、美術書にありがちなカトリックと正教を混同したいい加減な解説書とは異なる。「信仰」という点に踏み込まず、画家としての山下りんについて書くとこのようになるのか、と新鮮に感じた。2019/12/04
クサバナリスト
11
朝井まかて著「白光」を読み、山下りんに興味を持ち読んだ。明治維新後の当時の日本の美術・絵画の状況、ロシアの革命期の宗教的状況などが分かった。山下りんがそのはざまにおかれ、苦悩した背景がより理解できた。2021/09/02
きゅう
9
明治時代のイコン画家・山下りん、山田五郎のYouTubeチャンネルでの解説で初めて知りました。絵を描くのが好きで、よい師を求めてあちこちで腕を磨き、日本初の公立美術学校に初の女子学生の一人として入学し、不思議な巡り合わせでイコン画家の道を歩み始めてロシアへ留学……この時代にこんな体験をしてきた女性がいるなんて本当に驚きです。イコン画の技術習得のためのロシア留学では相当な苦労があったようで、自分の心境を率直に書いたりんの日記に、思わず胸がきゅっとなりました。2022/05/25
エディン
8
「白光」を読んで、参考文献として載っていた本。山下りんの作品を見ながら、その生涯をたどっていった。「白光」で物語仕立てで読んでいたものを思い出しつつ、読めたので分かり易かった。逆に、この本から朝井まかてさんがどのようにして小説としての山下りんを作り上げていったのかが想像出来たのもよかった。2022/12/13
keroppi
5
中野京子さんの本で紹介されていた明治のイコン画家。あの時期にロシアで絵を学びイコン画家となった。ただ絵を描きたいという気持ちだけで生き抜けた人のようである。2014/12/05