出版社内容情報
韓国の民主化とは何だったのか
韓国の民主化運動に深くかかわった詩人・作家として知られる高銀(1933- )や黄?ル暎(1943- )の次世代として運動に携わり、大学在学中から非合法学生運動グループに関与し、二度投獄。1980年代の中盤から後半にかけては、雑誌『季刊 黄海文化』の編集主幹を務めながら韓国で繰り広げられた各種の文学論争をリードし、韓国の1987年の民主化、そして1990年代以降の「個人」の発見から新自由主義的市場経済の進展という、韓国の近代化と同時代を歩みながら常に民主主義と文学を問い続けてきた韓国を代表する批評家が日本初紹介!
内容説明
文学とは―夢を見ること反省すること闘うこと。近代化の中で常に民主主義と文学を問い続けてきた、韓国気鋭の批評家の論考を精選!!
目次
第1章 一九八七年、そしてその後―革命と反動、共同体と個人の間、六月抗争二〇周年を語る
第2章 光州民衆抗争とは何だったのか―韓国民主化の敵としてのアメリカ、そして韓国の現在
第3章 新しい時代の文学の抵抗のために
第4章 ふたたび批評を始めて
第5章 リアリズムと民族文学論を越えて―危機意識の復元と新たなパラダイム構成のための試論
第6章 高銀論―一九六〇年代的ニヒリズムの最終章
第7章 黄〓(せき)暎論―恥辱の感覚
第8章 金学鉄論―ある革命的楽観主義者の肖像
著者等紹介
金明仁[キムミョンイン]
韓国・仁荷大学校師範大学国語教育科教授。文芸評論家・コラムニスト・季刊『黄海文化』編集主幹。1958年韓国・江原道生まれ。ソウル大国文科、仁荷大大学院卒。文学博士。ソウル大学在学中から非合法学生運動グループに関与し、1979年に大統領緊急措置9号違反で、1980年に反共法および戒厳布告令違反で投獄され、1983年の光復節仮釈放で出所した経験がある。その後、いわゆる「民族文学主体論争」の論客として1980年代の中盤から後半にかけて韓国で繰り広げられた各種の文学論争をリードする一方、1990年代には金洙暎や趙演鉉など、韓国近現代文学に関する論文や著書を数多く発表した
渡辺直紀[ワタナベナオキ]
武蔵野大学人文学部教授。1965年東京生まれ。慶応大政治学科卒。出版社など勤務ののち1994年より渡韓。東国大大学院国語国文学科博士課程修了。高麗大教員を経て2005年より武蔵大に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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