出版社内容情報
日本はアジアを収奪しつづけるのか、蹴り落とされるのか、それとも、ともに発展するのか。
「植民地」アジアから第二次大戦後の解放へ、そしてめざましい経済成長をへて「資本主義アジア」が誕生したが、今やグローバル経済の波がおおいかぶさり、さらなる激変の時代を迎えている。
生産と輸出の「工場」から、金融と消費の「市場」としても華々しい時代を迎えたアジアだが、格差の拡大をはじめ、問題は山積している。アメリカ、EUも以前の勢いを失った現在、かつてのASEAN、FTA、さらにTPPなどを経てアジアの経済統合は新しい局面を迎えてもいる。
本書は、フランスのレギュラシオン理論のアプローチから、「制度」と「成長体制」の分析を連携させ、さらに国際的・地域的分析を重ねて、現在の“アジア資本主義”を理解し、ひいては未来をも見通そうという野心的試みである。
[執筆者]R・ボワイエ/S・ルシュバリエ/磯谷明徳/植村博恭/宇仁宏幸/金?刮i/金佑眞/厳成男/宋磊/田原慎二/遠山弘徳/徳丸宜穂/西洋/服部茂幸/原田裕治/平川均/平野泰朗/山田鋭夫/吉村真子/?ョ俊輔/梁峻豪
内容説明
植民地から第二次大戦後の解放、そして経済成長をへて誕生した「資本主義アジア」。グローバル経済の波をうけ、さらなる激変の時代を迎えるアジアの資本主義に、レギュラシオン理論からアプローチ。国民経済分析を中心としてきたレギュラシオンに、国際関係や世界経済の分析を重ね、アジア資本主義の実像に迫る。フランス・中国・韓国の研究者との共同研究。
目次
1 アジア資本主義の多様性と転換(構造転換の世界経済と東アジア地域の制度化―ASEANに注目して;アジア資本主義の多様性―制度的構図と企業のイノベーション活動 ほか)
2 中国資本主義(中国経済の発展様式と国際システムの転換―2008年危機以後を中心に;中国経済の輸出主導型成長から内需主導型成長への転換条件―賃労働関係の変化と社会保障システムを中心に ほか)
3 韓国資本主義(韓国における金融システム変化と蓄積体制;韓国における非正規労働の増加と雇用の二重構造化 ほか)
4 東南アジア・インドの資本主義(インドIT産業における高度化と能力構築―新興国知識集約型産業における後発発展;マレーシアにおける経済発展と労働 ほか)
5 日本資本主義(企業主義的調整の麻痺と社会保障改革;日本における制度変化と新自由主義的政策―国際比較の観点から ほか)
著者等紹介
植村博恭[ウエムラヒロヤス]
1956年東京都生。1986年一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。横浜国立大学大学院国際社会科学研究院教授。制度分析・マクロ経済分析
宇仁宏幸[ウニヒロユキ]
1954年兵庫県生。1995年大阪市立大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。京都大学大学院経済学研究科教授。経済理論
磯谷明徳[イソガイアキノリ]
1956年福島県生。1984年一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。九州大学大学院経済学研究院教授。制度経済学・進化経済学
山田鋭夫[ヤマダトシオ]
1942年愛知県生。1969年名古屋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。名古屋大学名誉教授。理論経済学・現代資本主義論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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