出版社内容情報
「ちがう、かかわる、かわる」、これがとりあえず私の考えた生命の特徴です。モノとカネの圧倒的支配の続く現実に対して、基本的人権、つまり一人ひとりの生命によりそった教育をめざす実践が成立する条件を、私は模索してきました。基本的人権を行使するとはどういうことかを、実践的な感性としてつかみとり、主権者として新しい民衆連帯の創出が、いま改めて問われているように思います。「完全就業」「万人の幸福」という夢、かすかな光へと歩む私なりの夢を求めての思索の軌跡です。(大田堯)
【著者紹介】
1918年生。教育研究者。東京大学名誉教授、都留文科大学名誉教授。日本子どもを守る会名誉会長。東京帝国大学文学部卒業。東京大学教育学部教授、日本子どもを守る会会長、都留文科大学学長、日本教育学会会長などを歴任。専攻は教育史、教育哲学。広島県出身。 主な著作は「かすかな光へと歩む」(一ツ橋書房)、「教育の探求」(東京大学出版会)、「教育とは何か」(岩波新書)、「地域の中で教育を問う」(新評論)、「子は天からの授かりもの」(太郎次郎社)、「生命のきずな」(偕成社)「子どもの権利条約を読み解く」(岩波書店)ほか多数。 2011年には教育を通して人間を見つめ続けてきた、その思索と実践の軌跡を追った映画「かすかな光へ」が公開された。2013年10月現在、全国300カ所以上で自主上映が展開中。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
13
大田尭先生の論考は、人びとに対する信頼に満ちているように感じます。この著書は大田先生の自撰集成2です。基本的人権と教育について述べられています。大田先生は、生活綴方教育の中から、教育は「アート」であると思うようになったと述べられています。生徒と先生が織りなす文化・芸術ともいえる物が教育だという意味でしょう。また、人はDNAの段階から違いがあり、それが社会の文化に触れていく中で個性として伸びていくという趣旨のことを述べられています。画一的教育への痛烈な批判です。学び多い書でした。2015/08/17
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