内容説明
写真で見る半世紀を超える“水俣病”事件の通史!1950年代、不知火海沿岸・水俣で突如現出した奇病をこの半世紀あまり追跡した報道写真家の記録の集大成。
目次
最高裁判決へ
二つの慰霊
「宝子」
「生ける人形」
隣村の網元二世代を襲った奇病
奇病発見のきっかけとなった船大工一家
中村荒蔵網
役者をもしのぐ茂道の女網元
チッソ水俣工場
胎児性患者たちの成人とその後
水俣病専用病棟や自宅の患者たち
新潟水俣病事件
労働争議の町と化した水俣
熊本水俣病一次訴訟
苦海地獄
行商人の魚は山間部でよく売れた
隠れ患者の島
支援者たち
水銀国際会議
ある胎児性患者の一族
著者等紹介
桑原史成[クワバラシセイ]
フォトジャーナリスト。1936年島根県生まれ。1960年、東京農業大学・東京綜合写真専門学校卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
40
桑原さんの写真集「水俣病」を初めて手に取ったのは、小学校低学年でした。ユージン・スミスのピュリッツァー賞を取った写真の方が有名かもしれませんが、桑原さんが写し取った水俣の人々の画のほうが私は当時から好きでした。また、読み物としてはイタイイタイ病やカネミ油症、ベトナム戦争で使われた枯れ葉剤などについて読んだ思い出があります。親の影響もあったかもしれませんが、昔から環境問題に興味があったのだと思います。2025/06/03
ぐうぐう
33
水俣病の患者は、身体の自由を奪われ、言葉さえ奪われることも多い。その胸中の想いを伝える術のない患者と出会い、石牟礼道子は『苦海浄土』を書いた。患者達の言葉にならない想いを、言葉にしたのだ。桑原史成は写真で患者達の想いを掬い、伝える。本書には、半世紀以上にも渡って水俣を撮り続けた桑原の写真が収められている。『苦海浄土』で杢太郞として描かれた一光少年もいる。1960年、祖父にご飯を食べさせてもらっている4歳の一光の写真と、2011年、車椅子に乗る55歳の一光の写真。(つづく)2017/05/25
ochatomo
8
この本で水俣病は戦前から発生していたこと、まだ解決してはいないことを知る 幼時の事故で独眼となった作者は当時高価だったカメラを父から贈られ、写真家を目指す第一歩で誰よりもはやく水俣を写した 約3万コマを見直した本人すらその記録の貴重さに驚いたとあとがきで述べる 元朝日新聞記者の西村幹夫氏による巻末「偉大なノーテンキということについて」で作者と水俣事件の経緯、秘話を紹介 年表・英訳付記 2013刊2018/03/18
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