内容説明
米国発の金融資本主義に綻びが見える中、投機マネーのターゲットは穀物、金、原油といったコモディティ市場に移っている。いびつな価格形成と市場の乱高下が国民生活に影響を及ぼしている今、健全なマーケットへの改革の方途と、「先物思考」の真の意義を明かす野心作。
目次
第1部 コモディティが「武器」に変貌した一九七〇年代(投機化が著しい現在のコモディティ市場;穀物から始まった米国先物市場;米ソ「穀物」戦争の勃発;金―世界に衝撃を与えたニクソン・ショック;OPECから原油価格の決定権を奪取した米国)
第2部 コモディティが映し出す日本の近現代史(日本の近代史は米相場にあり;金・銀・銅―鉱山開発がもたらしたもの;『女工哀史』と製糸産業)
第3部 コモディティにますます翻弄される時代(激化する「コモディティ」争奪戦;市場の変質を見抜く眼力)
著者等紹介
阿部直哉[アベナオヤ]
1960年、東京・築地生まれ。慶應義塾大学卒。ジャーナリスト。90年代に米国シカゴに駐在、フューチャーズ・トリビューン紙記者として金融・コモディティ市場関連の取材活動に従事。その後、ニューヨークの通信社ブルームバーグ・ニュースの記者・エディターを経て、2010年9月から明治大学大学院・都市ガバナンス研究所研究員(チャールズ・A・ビーアドを研究)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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