資本主義の起源と「西洋の勃興」

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  • サイズ A5判/ページ数 326p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784894347885
  • NDC分類 332.3
  • Cコード C1020

目次

第1章 ヨーロッパにおける商人資本主義の起源をめぐる諸見解(正統派マルクス主義;ブレナー主義(ブレナー・アプローチ) ほか)
第2章 中国とヨーロッパの政治経済比較(宋代における中国の社会経済革命(九〇〇‐一二八〇年頃)
中国とモンゴル ほか)
第3章 南アジアとヨーロッパの政治経済比較(南アジア地域における交易と商品流通;南アジアにおける国家と国家構造 ほか)
第4章 西欧と北アフリカの政治経済比較(北アフリカとスーダン諸国(紀元一二〇〇‐一五〇〇年頃)
北アフリカの都市、国家、地中海における勢力均衡 ほか)
第5章 結論―中世西欧の都市国家はヨーロッパの奇跡だったのか

著者等紹介

ミラン,エリック[ミラン,エリック][Mielants,Eric H.]
1973年ベルギー生。ヘント大学でヨーロッパ近代史を学び、米国ニューヨーク州立大学ビンガムトン校社会学部大学院にて博士号を取得。西ケンタッキー大学、ユタ州立大学などを経て、現在は米国ニューヨーク近郊にあるフェアフィールド大学社会学・人類学部の准教授。パリ人間科学院リサーチ・アソシエート

山下範久[ヤマシタノリヒサ]
1971年大阪府生。ビンガムトン大学社会学部大学院にてウォーラーステインに師事、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。北海道大学大学院文学研究科助教授を経て、現在、立命館大学国際関係学部教授。専攻・世界システム論、歴史社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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34

19
まず巻末の参考文献の数に驚かされます。訳者によると原著では注とあわせてだいたい全体の1/3の量を占めるそうで、膨大な文献渉猟の成果を活かした内容となっているとおもいます。第一章では代表的な資本主義西洋起源論(「どうして西洋で資本主義が起こったのか」)が検証され、それぞれの限界を確定したのち、以後の章では中国、南アジア、アフリカなどの経済体制(おもに中世期)と西洋のそれを比較しながら、なぜ前者で資本主義が起こらず後者から起こったのか、その問いに答えようとしています。→2017/02/26

ポルポ・ウィズ・バナナ

1
1.産業革命は突如起こったわけではない。その基になったものは中世からすでに存在し、それが緩やかに「移行」していった結果、資本主義が誕生した。2.アジアはつねに裕福だった。ゆえに遊牧民族の脅威にさらされ続けた。その結果、(a)権力者は土地からの収益にたよることが出来た。 (b)海洋貿易へ力点を置くことが出来なかった。(c)今著では述べられてはいないが遊牧民はアジアの富を搾取することに終始し、枯れた土地であるヨーロッパに目を向けることは乏しかった可能性(もちろん地政学的な問題もあるだろうが)。2011/11/05

壱萬参仟縁

0
注記がすぐ左ページに畳み掛けるように書かれている論文が本になった著作物。中世社会から出てきた資本主義の原型や、世界システム分析の史的展開に魅了される。山下先生はウォーラーステインに師事されているので、中心と周辺、半周辺という単純な構造ではないことも今更ながら理解される。資本主義の出自については、レギュラシオニストが10年ぐらい前に世界で5類型化していたが、西洋社会由来の資本主義だけではない。植民地主義はこの視点だとよろしくないことが注記されている(179ページ)。同感である。日本独自の資本主義もあるから。2012/10/03

たぬき

0
商のやる気ですよ やる気2012/04/04

Walpurgisstrasse666

0
謝辞の注釈(というものがついているだけでこの本の性質と品質が分る)でも触れられているように、慎重にして詳細な比較論考。同テーマでこれを越えるのは不可能ではないかと思わせるほどの内容。2011/08/29

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