感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
寛生
43
          
            【図書館】ことばは身体なのだろうか。聴覚言語障害児であった著者が、右の耳が聞こえるようになったのが16歳。そして、40代半ばまで〈ことば〉というものを「さぐって」いき、「しゃべれるように」なる。それは、自身が〈ことば〉に出会うということでもあるが、〈ことば〉が彼と出会ったことでもある。ブーバーやメルロ・ポンティとの引用/対話を通じて、〈からだ〉と〈からだ〉、〈ことば〉と〈ことば〉、〈からだ〉と〈ことば〉が出会うこと、そこで何かが響き合うことを息を呑むような文体が語っていく。命とことば、人間が生き返る。2014/10/30
          
        うりぼう
12
          
            「からだ2009 上演会」で購入。魂を揺さぶられる本。竹内先生の滋賀の合宿、アクテノンのレッスン、新年会をご一緒できた幸せを噛締める。もう会うことはできない。40歳にして、言葉が劈(ひら)かれ、「出会う」とは何かを体感し、社会の言葉が、拒絶の言葉であったことを知った絶望。そのただ中にいる私を見つめる。私には「ICH UND DU」(わたしとあなた)の関係があるのか?「ICH ES」(わたしとそれ)の関係だけではないのか?ただ、ふるえるのみ。われわれは未来を持たない、希望があるだけ。2009年ベスト1位。2009/12/24
          
        arisa
3
          
            高校生の時に確信してからというもの、心の奥深くでいつもあたためていたテーマがまるきり詰まっていた。「意識と本質」以来の感激。 わたしという魂を投じて、あなたに向き合うということ。そこでは、わたしもあなたも大いなる場の中で無に返されて、そこから物語が始まるということ。それは、生きるということ。 「出会いとは相手を理解するということではない。その人に驚かされる、驚かされたとたんに裸になっている。相手の前に見知らぬ自分が立っているという、むしろ相手に突破されてしまう。そういうことが出会いということだろうと思う」2022/04/22
          
        ジルチ
2
          
            竹内敏晴。この名前を初めて知ったきっかけは、とあるナンパ師のブログだった。そして実際に本を読んでみて全力で納得したのだった。そりゃこんな人の本まで勉強してれば魅力的になるわ。嘘ばっかのこの世の中で、この人の本にはほんとうのことが書かれていると思う。少なくとも自分にはそう思えた。スピリチュアルとか宗教とか哲学じゃないんです。そういうことに言及してる部分もあるんですが、あなたが人間であるのならば読んでも無駄にならないと言い切れます。老若男女、何人であろうとも。普段わたしは絶対にそんなこと言わない。言えない。2022/08/10
          
        ナディル
0
          
            竹内さん生前最後の著作にようやく向き合うこととなった。最初にレッスンに参加した日の「出会いのレッスン」を思い起こした。自らの中だけでいっぱいでまるで相手が見えていなかった、そういう自分の素地は変わらないのかもしれない。しかし竹内さんが最後の最後まで決して歩みを止めなかったように、私は私自身の底を歩み続けるより他ありません。2023/05/07
          
        


 
               
               
              


