内容説明
「近代国家」日本にとって、「植民地」台湾とは何だったのか?台湾先住民族の抗日武装蜂起「霧社事件」と原敬・後藤新平らの統治思想との両面から、台湾を合わせ鏡とした日本像に迫る。
目次
1 霧社事件と日本人(昭和政治史における霧社事件―植民地統治の政治過程分析;日本陸軍にとっての霧社事件―解説・『台湾霧社事件軍事関係資料』;ウットフが織り給ひし人々―解説・林えいだい『台湾植民地統治史』;台湾原住民タイヤル族一女性の命の記録―書評・中村ふじゑ『オビンの伝言』;語り継ぐセーダッカの叙事詩―書評・アウイヘッパハ『証言霧社事件』;「虹の橋」を渡るキリスト者―井上伊之助の「山地原住民伝道」覚書)
2 台湾統治政策の展開―原敬・後藤新平・岡松参太郎(近代日本の植民地統治と原敬;明治憲法体制と台湾統治―原敬と後藤新平の植民地政治思想;植民地における「旧慣」と法;台湾旧慣調査と立法構想―岡松参太郎による調査と立案を中心に;医学博士・岡松参太郎と台湾;後藤新平の台湾統治論・植民政策論―「政治思想」の視点からの序論)
3 日本における台湾史研究の回顧と展望(台湾近現代史研究会の思い出―第一回東アジア近代史青年研究者交流会議(二〇〇二年八月三〇日)講演記録
「後藤新平伝」編纂事業と“後藤新平アーカイブ”の成立
霧社紀行―研究余聞)
著者等紹介
春山明哲[ハルヤマメイテツ]
1946年東京都生。東京大学大学院工学研究科修士課程(応用化学)。1974年国立国会図書館入館、収集企画室長、国会分館長、調査及び立法考査局専門調査員を経て、2007年退職。現在、早稲田大学台湾研究所客員研究員、早稲田大学非常勤講師、また2007年より日本台湾学会理事長を務める。台湾史、近代日本政治史、植民地統治政策史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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