内容説明
書人にして詩人、河上肇の最初で最後の遺墨集。名著『貧乏物語』の経済学者・河上肇が漢詩・和歌とともに、書においても一級の作品を生み出したことは知られていない。河上の遺した作品を初集成、中国古典文学と書学の第一人者による最高の解説を付し、近代日本が生んだ「最後の文人」河上肇の知られざる全貌を余すところなく明らかにする、待望の一書。
目次
1 河上肇の「詩」と「書」(天は猶お此の翁を活かせり;髪有れども亦た僧の如し;有るか無きかのかそけさに生く;人事代謝有り往来古今を成す;白雲生ずる処水清く石痩せたり;病馬すでに千里の志なし)
2 河上肇の遺墨(部分拡大;書作;獄中書;詩稿;色紙;短冊;署名;釈文)
3 解説(詩人・河上肇;書人・河上肇)
著者等紹介
一海知義[イッカイトモヨシ]
1929年、奈良市生まれ。旧制高校理科コースへ進んだが、文学への思いが募り、京都大学文学部中国文学科に進学し、高橋和巳らとともに吉川幸次郎に師事。53年卒業後は、神戸大学教授、神戸学院大学教授を歴任。神戸大学名誉教授。専攻は中国文学
魚住和晃[ウオズミカズアキ]
1946年、三重県生まれ。東京教育大学芸術学科卒。神戸大学大学院国際文化学研究科教授(文字文化形象論)。文学博士。書家としての号は卿山。1977年より神戸大学に赴任し、93年より同大学国際文化学部教授。専攻は中日書法文化論、文字文化形象論、筆跡学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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