内容説明
哲学・文学・歴史の狭間で、戦後の知的限界を超える美学=思想を打ち立てた唐木順三。全盛期の『中央公論』の名編集長で、戦後のアカデミズムとジャーナリズムを知悉する著者が、「故郷・信州」「京都学派」「筑摩書房」の三つの鍵から、戦後思潮に距離を取り続けた唐木の思索の核心に迫り、“戦後”を問題化する。
目次
第1章 筑摩書房というドラマ―ひとつの友人共同体
第2章 京都大学哲学科の物語
第3章 漱石と鴎外
第4章 戦後という空間
第5章 反転‐中世へ―ニヒリズムとしての現代
第6章 中世的世界の解釈学―無用者の発見
第7章 批評と思想の間―小林秀雄と唐木順三
第8章 哲学と社会科学―思想が生まれるところ
第9章 ふたたび京都学派について
第10章 信州―郷土の英雄
著者等紹介
粕谷一希[カスヤカズキ]
1930年東京生まれ。東京大学法学部卒業。1955年、中央公論社に入社、1967年より『中央公論』編集長を務める。1978年、中央公論退社。1986年、東京都文化振興会発行の季刊誌『東京人』創刊とともに、編集長に就任。他に『外交フォーラム』創刊など。1987年、都市出版(株)設立、代表取締役社長となる。評論家、ジャパン・ジャーナル社長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。