内容説明
人権は普遍的なものか?人身売買、虐殺など、現代世界にいまだ絶えることのない人権侵害。他方、価値観の一方的な押し付けにもなりうる国家を超えた介入。こうしたジレンマの要因ともなっている、個人主義的な人権観それ自体を、テイラーとイグナティエフを手がかりに根底から覆し、人権の普遍性を問う。
目次
第1部 なぜ人権を問うのか(現代世界と人権;多文化主義と人権―イグナティエフの問い)
第2部 テイラーの思想と人権の根拠(近代的自己の誕生―テイラー『自己の諸源泉』を読む;言語論的転回と人権の根拠―テイラーの言語哲学;近代社会と自己―テイラー『近代社会像』を読む;新しい共同体―自己論と公共倫理の源泉)
第3部 人権をひらく(子どもと人権;人身売買と人権;現代日本と人権)
附(チャールズ・テイラーについて;マイケル・イグナティエフ小伝)
著者等紹介
森田明彦[モリタアキヒコ]
1958年東京都生まれ。1983年、東北大学文学部卒業。同年、外務省入省。1984年、イスラエルへ派遣。1985年、ヘブライ大学経済学部入学。1992年、国際連合開発計画(ニューヨーク)へ出向。1995年、(株)イトーヨーカ堂へ入社。1996年、(財)日本ユニセフ協会へ就職。1997年より、同広報室長(~2004年)。1999年、青山学院大学国際政治経済研究科国際ビジネス専攻修士課程修了(国際経済学修士)。2002年、早稲田大学社会科学研究科博士後期課程入学。2005年4月より、長崎ウエスレヤン大学専任教授。専攻は人権思想、子どもの権利、参加型人権平和教育
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