感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
リヨン大学での講演(1999)を収めた本書は、政治を界と捉え、その自律性=閉鎖性を社会という差異空間に置き、外の力との特殊な闘争関係を描く。著者は、代表制におけるデータ化された個人(投票者)と代表としての政治家との不均衡な関係、宗教界に似た政治家と政党の信仰関係、ジャーナリズムと政治との共犯的関係等の力のせめぎ合いの中で、政治界内にジャーゴン化した政治資本が蓄積され、外を政治のノンプロと見なす排他関係を作る。一方著者は、政治の界が刷新される契機が内の異端の力と外の諸力の増大が関わることを美術界を例に示す。2024/05/25
ぽん教授(非実在系)
2
政治の「界」の基本的な範囲と他の界との境界線・相互影響・断絶についてをブルデュー流社会学で見事に説明する。政治界内部の動きは従来の政治学で十分説明できるが、他の界との関係性になるとどうしても弱くなってしまうのに対して一つの仕事を成しえている。ジャーナリズム・知識人の役割の大きさを考えさせられるが、政治・ジャーナリズムともに経済界の論理に動かされやすいのはマルクス主義全盛期も市場万能主義の現代も変わらず経済学帝国主義の凄まじさを改めて感じる。2015/12/02
Rusty
1
代表性(正当性)、価値、それらによって作り出されまたそれらを作り出していく表象…部分ごとには分かると思うのだが全体像が描きにくい。言説と象徴でもって、異端から正統へと変わっていくこと、例えば宗教改革、他にいい例がないだろうか。2016/04/29
rymuka
1
政治とは動員! ~http://rymuka.blog136.fc2.com/blog-entry-39.html2013/07/12